3分でわかるミニ株とその仲間たち(S株、ワン株、プチ株、まめ株)

ミニ株S株ワン株プチ株まめ株、そして単元未満株

あなたにはこれらの違いがわりますか?

初心者なら、まず混乱すると思います。

実は、これら用語の違いは3つのステップで簡単に理解できます。

それでは、その3つのステップを順に説明していきましょう。

【ステップ1】日本の株式市場における単元株制度と言うルール

そもそも、日本の株式市場では原則として単元株でしか株式の売買をできません。

日本以外の国では、米国株式市場の様に1株単位で売買できる国もありますが、日本の場合は決められた単元株単位でしか原則として市場では取引できません。

これを単元株制度と言って、2019年9月5日現在では100株単位で売買するルールとなっています。

元々は単位株制度と呼ばれ、昔を知る人は多くの株式は1000株単位で取引していたのを記憶していると思います。

そして、2018年10月には単元株制度のもと、すべての銘柄が100株単位に統一されました。

なので、日本の株式市場で普通に株式の売買をするのであれば、100株単位でしか取引はできないということです。


【ステップ2】ミニ株のはじまり! 大蔵省主導で導入された株式ミニ投資制度

現在の財務省が大蔵省と呼ばれていた頃、1995年10月、大蔵省は株式ミニ投資制度を発足させました。

これは、単元株の10分の一の単位で取引できる、証券会社が提供するサービスです。

株式市場で単元株単位での売買をすることに変わりはありませんが、証券会社が個人投資家向けに単元株の10分の一の単位での売買サービスを提供すると言うことです。

これがミニ株のはじまりです。

つまり、ミニ株と言う呼び方は正式には特定の証券会社のサービスではなく、単元株の10分の一の単位での売買サービス全般を示します。

したがって、ミニ株と言う商品名であれば、どの証券会社でも単元株の10分の一の単位での売買サービスを指します。

少なくとも、証券会社専門家ミニ株と言う場合はこの意味で使われます。

ただし、一般的には誤用されている事が多く、これ以降で説明する各証券会社が独自に提供をはじめた一株単位の取引サービス全体をミニ株と総称することもあります。


【ステップ3】「一株から買いたい!」を実現した証券各社の独自サービス! S株、ワン株、プチ株、まめ株、そして単元未満株

ミニ株のサービスを使っても、米国株のように1株単位では日本株を売買できません。

2019年9月現在、単元株は100株単位なので、ミニ株のサービスを使っても10株単位でしか取引はできません。

そこで、今度は証券会社が頑張りました。

各証券会社で1株単位で日本株を売買できるサービスを作ったのです。

以下のサービスは名称と提供する証券会社が異なりますが、すべて日本株を一株単位で売買するためのサービスです。

  • S株 →SBI証券のサービス
  • ワン株 →マネックス証券のサービス
  • プチ株 →カブドットコム証券のサービス
  • まめ株 →野村證券のサービス

その他、特別なサービス名がついておらず、単に単元未満株の取引と呼ばれる場合があります。

例えば手軽に投資できるサービスの中に日本株を一株単位で売買するサービスが既に含まれており、あえてその部分だけに名称をつけるのはブランド戦略上意味が無いなどのケースなどがあります。

また、ミニ株と同じように、上記のサービスを総称して単元未満株と呼ばれる場合もあります。

ですが、これらのサービス、特に初心者には注意すべき点があります。


相対取引(あいたいとりひき)と意図しない手数料に注意! S株、ワン株、プチ株、まめ株、その他の単元未満株で気を付けるべきこと

注意すべき点は、日本株を一株単位で売買するミニ株より個人投資家と証券会社の相対取引(あいたいとりひき)になる比率が高いと言うことです。

相対取引(あいたいとりひき)とは市場に注文を流さず、証券会社と個人投資家の間で売買を成立させることを指します。

ミニ株の場合は個人投資家に提供する売買単位が単元株の10分の一ですが、これらのサービスで提供する売買単位は単元株の100分の一です。

10人の注文で一つの売買単位になるミニ株より、100人の注文で一つの売買単位になる一株単位の単元未満株のさいーびすの方が、単純計算で相対取引(あいたいとりひき)の比率10倍に増えます。

相対取引(あいたいとりひき)の特徴は、個人投資家の損は証券会社の得になると言うことです。

企業は利益を追求しますが、その利益は個人投資家の損から得られる構図になりやすい。

そのため、この手の仕組みの場合、個人投資家が自覚しないうちにコストを支払ったり高めの手数料を取られたりする仕組みが組み込まれている場合があります。

具体的に言うと、初心者向けのサービスにおける、スプレッド制定額手数料制ちょっと高めの手数料設定です。

もっとも良心的なのはちょっと高めの手数料設定

市場に流さず相対取引になる確率が高いので、そのリスクを上乗せしただけですから、これは正当な上乗せであり、良心的です。

問題なのはスプレッド制定額手数料

どちらも、慣れている人にとっては何の問題も無い制度ですし、むしろ活用されています。

しかし、初心者の場合、この二つの制度では無意識の内に手数料を取られてしまうことにつながることが多いでしょう。

スプレッド制の場合、売買の基準値に既に手数料分が含まれているので、初心者の場合気づかずに手数料を払っていると言う場合が起こり得ます。

また、定額手数料制は、初心者や長期投資家にはあまりメリットはありません

定額手数料は取引量の多いデイトレーダーやセミプロレベルの短期トレーダーにメリットのあるサービスです。

例えば、毎月定額で200円を取られる場合を考えましょう。

手数料率を0.5%以内におさめるポリシーであれば、毎月4万円以上の売買をしなければ利益がその分吹っ飛びます。

また、個人投資家の多くは投資で損をするので、普通に相対取引をやっていれば得するであろうことも含めて、その証券会社の利益獲得戦略を見極める必要があります。

例えば、あきらかに初心者をターゲットにしている場合は、「相対取引(あいたいとりひき)で得をするつもりだな」と僕なんかは勘ぐってしまいますね。

ただ、極端に取り過ぎていなければ、これは企業の正しい姿だと思います。

利便性が高まれば、その分費用は取られるのがあたりまえなのですから。


1株単位の取引をしたいなら米国株がおすすめ

ここまで色々書いてきましたが、僕自身は日本株で単元未満株の取引をするより米国株の取引をする方がおすすめです。

そもそも米国株には単元株制度など無いので、普通に一株単位で売買できます。

米国株に興味がある方は以下の記事をごらんください。

米国株が最強である理由がわかるでしょう。

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「でも、いきなり米国株なんて不安だな?」

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なので、当ブログでは投資信託から段階的にすすめていくことを提案しています。

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投資は自己責任。

リスク管理を徹底して楽しみましょう。