eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)は本当にお得なのか? ~たぬき先生とうさぴょんの楽々投資教室~

「S&P500は短期の変動リスクが高いから、長期運用でなければおすすめしない。

さらに、eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)に投資するなら、VOOとの比較や、つみたてNISAとの併用を検討することをおすすめするね」

その理由をたぬき先生がわかりやすく解説します。

▼2019年11月6日追記

遅ればせながら、2019年11月12日よりeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)の信託報酬が大幅に下がると言う情報を得たので、最後にその記事を追記しました。

S&P500って本当に儲かるの?

うさぴょん
うさぴょん
最近、「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」を友だちにすすめられたんだけど、どうなんだぴょん?
たぬき先生
たぬき先生
うさぴょんは余裕資金で長期投資をするつもりなのかい?
うさぴょん
うさぴょん
そんなに深く考えていないんだぴょん。
たぬき先生
たぬき先生
なら、ちょっと考えた方が良いぞ。
S&P500は20年以上持つならリスクは低いんだが、短期的なリスクは高いんだ。
これは、株式の長期投資全般に言えることだ。
うさぴょん
うさぴょん
そうなのかぴょん?
でも、あのバフェットがすすめているからスゴいんじゃないのかぴょん?
たぬき先生
たぬき先生
じゃあ、実際のデータを見てみよう。
まず、これが最近6ヶ月のS&P500の値動きだ

うさぴょん
うさぴょん
うわっ!
こんなに上げ下げが激しいのかぴょん?
たぬき先生
たぬき先生
次に1年のデータを見てみようか。

うさぴょん
うさぴょん
なんか、上がってるっぽいけど、時々グンと落ちているんだぴょん。
たぬき先生
たぬき先生
米中貿易戦争中だから、けっこう厳しい値動きが続いているね。
じゃあ、次は5年のデータを見てみよう。

うさぴょん
うさぴょん
ここまで来ると、S&P500が上昇してる感じがするけど、ところどころやっぱり下がるんだぴょん。
たぬき先生
たぬき先生
最後は約19年のデータを見てみよう。

うさぴょん
うさぴょん
ここまで、来ると長期的な上昇がかなりハッキリするんだぴょん。
たぬき先生
たぬき先生
注目して欲しいのはリーマンショックの時期の落ち込みと、回復までの期間だ。
一気に半分近くの価格にまで下落し、回復まで5年近くかかっている。
僕は、このグラフが一番S&P500のリスクとリターンの関係を的確に表していると思う。
まともに経験を積んだ長期投資家の頭の中には、だいたいこのくらいのリスクと期待リターンの関係がイメージされていると思って良いんじゃないかな。
まあ、それでも色々な期間のデータサンプルを取りまくって、リスクと期待リターンを数値化してから長期投資をはじめるけどね。
うさぴょん
うさぴょん
でも、これだとあまり儲からないように見えるんだぴょん。
たぬき先生
たぬき先生
実際には、配当があって、それを再投資したり、ドルコスト平均法で落ちている間にも買い続ける。
ドルコスト平均法には、下がって上がるタイミングで利益が増える性質があるから、実際の回復はもっと早まるし、回復量も増える。
配当再投資も、ほぼ同様の効果を持つからS&P500の値動きより、実際に得るトータルリターンは高くなるんだよね。
うさぴょん
うさぴょん
へー。
わかったんだぴょん。
S&P500に投資するなら、長期、積立、配当再投資なんだぴょん。
たぬき先生
たぬき先生
その通り。



「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」v.s.「VOO」

うさぴょん
うさぴょん
じゃあ、さっそつ「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」への投資をはじめるんだぴょん。
たぬき先生
たぬき先生
ちょっと、待った。
S&P500に連動している他の選択肢との比較はした?
例えば、バフェットの薦めるVOOとか。
うさぴょん
うさぴょん
えっ?
別にそんなことは考えてないんだぴょん。
たぬき先生
たぬき先生
S&P500へ投資する場合、単純に信託報酬(ETFの場合は経費率)を比べると、ETF(上場投資信託)のVOOの方がお得なんだ。
うさぴょん
うさぴょん
どのくらい、違うんだぴょん?
1.5倍くらいなのかぴょん?
たぬき先生
たぬき先生
「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」の信託報酬は消費税抜きで0.150%で、10%の消費税込だと0.165%だ。
ファンドの純資産総額が500億円を越えた部分はもっと安くなるけど、うさぴょんは500億円も持っていないよね。
うさぴょん
うさぴょん
そんなに持ってるわけないんだぴょん。
たぬき先生
たぬき先生
で、VOOの信託報酬にあたる経費率は0.03%なんだ。
もちろん、海外の企業が販売しているので消費税などない。
つまり、「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」の信託報酬は税抜きでVOOの5倍、税込だと5.5倍ということになる。
うさぴょん
うさぴょん
5.5倍!
違い過ぎるぴょん。
これじゃ、「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」にはメリットは無いんだぴょん。
たぬき先生
たぬき先生
いや、そんな事は無い。
「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」にもメリットはあるんだ。



「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」の3つのメリットとは?

たぬき先生
たぬき先生
メリットは3つあるよ。
メリットの1つ目は、積立や配当再投資を自動的に出来る事だ。
勿論、契約時に積立買付を設定する。
積立買付を設定すると、自動的に金額指定になるので、分配金受取方法を選択できる。
この時、受取ではなく必ず再投資を選ぶんだ。
これで、ほったらかしで配当再投資がされるようになるよ。
うさぴょん
うさぴょん
VOOでは配当再投資は自動的にできないのかぴょん?
たぬき先生
たぬき先生
VOOでは、配当は年4回自動的にドルで支払われるだけ。
これを自分で再投資するんだが…VOOの時価は2019年11月3日現在で281.20ドル。
1ドルあたり108円で換算すると約30,370円。
まあ、約3万円と思って良いね。
これを年4回の配当でそれぞれ1株ずつ買うためには、大体7百万円弱が必要なんだよね。
うさぴょん
うさぴょん
そんな大金持ってないぴょん。
たぬき先生
たぬき先生
そうだよね。
これが逆に「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」の2つ目のメリットになるんだ。
「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」なら少額からでも配当再投資が効率良く、しかも自動的に出来るってことはさっき言ったよね。
うさぴょん
うさぴょん
なるほどなのだぴょん。
ところで、3つ目は何なんだぴょん
たぬき先生
たぬき先生
つみたてNISAの対象になっていること。
20年間積立をして、最後に解約する時、通常利益にかかる20.315%の税金がかからないんだ。
長期投資で大きな利益が出た時、これは大きいよ。
この税金があるおかげで、儲かっている場合に解約すると結構なお金が引かれるんだ。
つみたてNISAについては「一般NISAとつみたてNISAの違いとは? メリット、デメリットを知って賢く選ぶ」に書いておいたから良かったら読んで欲しい。
うさぴょん
うさぴょん
了解だぴょん。



【追記】「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」が衝撃の信託報酬大幅値下げ!

たぬき先生
たぬき先生
うさぴょん、すまん。
実は、「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」が2019年11月12日付で信託報酬を大幅に引き下げるらしい。
うさぴょん
うさぴょん
どのくらい引き下げるんだぴょん?
たぬき先生
たぬき先生
税抜で0.15%だったのが、0.088%になるんだ。
さすがに0.1%を切ってくるとは予測していなかった。
既に投資信託ではなく、超低コストで運用しているETFの世界だ。
うさぴょん
うさぴょん
そうすると、おすすめ銘柄は変わってくるのかぴょん?
たぬき先生
たぬき先生
こうなると「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」を一押しするしかなくなる。
現時点でもVOOの0.03%の経費率と比べると10%の消費税込で0.0968%だから約3倍のコストになるけど、上でも話したように配当再投資を自動でやってくれて、その効率も良いことを考えると「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」一択とならざるを得ない。
積立NISAの対象でもあるしな。

投資は自己責任。

リスク管理を徹底して楽しみましょう。