現在、日本を除く世界各国が、新型コロナで失われるマイナス成長をカバーすべく大規模な経済を打っています。
日本の場合、真水と呼ばれる財政支出がGDP比で見ると極めて小さい。
また、適切かつ大規模な財政支出が遅れると、将来的に悪性のインフレを招く可能性があります。
逆ではありません。
それでは、たぬき先生の講義を除いてみましょう。
新型コロナの経済影響を緩和するために真水の財政出動が必要な理由とは？
うさぴょん
前回の講義「【新型コロナ】緊急事態宣言で日本と世界の経済、そして投資はどうなる？ ～たぬき先生とうさぴょんの楽々経済教室～」（https://kantan-beikokukabu.com/kinkyujitaisengen-economics-913）でも事業規模と政府の実際の財政支出の違いを力説していたけど、その違いってそんなに大事なのかぴょん？
「事業規模ってのは経済効果を加算した値」みたいな言い方を言っていたけど、経済効果が出れば良いんじゃないのかぴょん？
「事業規模ってのは経済効果を加算した値」みたいな言い方を言っていたけど、経済効果が出れば良いんじゃないのかぴょん？
たぬき先生
そこが落とし穴だ。
企業経営やセクター単位ではその考え方で良いんだけど、国家単位では全く無意味！
企業経営やセクター単位ではその考え方で良いんだけど、国家単位では全く無意味！
うさぴょん
どういうことなんだぴょん？
たぬき先生
例えば、ある産業の追加経済効果が１００億円計上できたとしよう。
国内需要で賄う場合、その業界は１００億円追加で儲かる。
国内需要で賄う場合、その業界は１００億円追加で儲かる。
うさぴょん
良いんじゃないのかぴょん？
たぬき先生
一方、消費者はそれに１００億円払う。
デフレ状態で消費者があるセクターに１００億円を使ったら、別のセクターでは１００億円節約せざるを得ない。
インフレの場合は、経済が過熱してそうはならないんだけど、デフレの時はほぼ確実にこうならざるを得ない。
どこかのセクターが儲かれば、どこかのセクターは損をする。
その結果GDPに影響は出ない。
デフレ状態で消費者があるセクターに１００億円を使ったら、別のセクターでは１００億円節約せざるを得ない。
インフレの場合は、経済が過熱してそうはならないんだけど、デフレの時はほぼ確実にこうならざるを得ない。
どこかのセクターが儲かれば、どこかのセクターは損をする。
その結果GDPに影響は出ない。
うさぴょん
ひょー。
たぬき先生
つまり、政府が国債を発行して需要を上乗せしないと、デフレ状況下でGDPを増やすことはできないんだ。
簡単な話だろ？
簡単な話だろ？
うさぴょん
確かに簡単だぴょん。
財政支出をしないと新型コロナの経済影響でインフレになる？
たぬき先生
そこで、財政支出を今の段階でどんどんしないと悪性のインフレになる可能性がある。
うさぴょん
えっ、逆じゃないのかぴょん？
たぬき先生
逆じゃない。
インフレの原因は財政赤字ではなく、需要が供給を上回るインフレギャップだ。
これは、過去の統計を見れば明白で、財政赤字になると必ずしもインフレにならないけれど、需要が供給を上回れば必ずインフレになっている。
インフレの原因は財政赤字ではなく、需要が供給を上回るインフレギャップだ。
これは、過去の統計を見れば明白で、財政赤字になると必ずしもインフレにならないけれど、需要が供給を上回れば必ずインフレになっている。
うさぴょん
じゃあ、財政支出を抑えた方が…
たぬき先生
違う。
現時点で財政支出を抑えると、需要が縮小してどんどんGDPが減る。
需要が縮小するとどういう結果になると思う？
現時点で財政支出を抑えると、需要が縮小してどんどんGDPが減る。
需要が縮小するとどういう結果になると思う？
うさぴょん
良くわからないんだぴょん。
たぬき先生
企業が淘汰されたり、従業員が解雇されたりして、供給能力が低くなるんだ。
これは、ここ３０年で日本の政府がやり続けてきた政策だね。
病院の数や病床が少ないのも、この政策の当然の帰結。
つまり、コロナショックで財政支出を渋って、企業が倒産したり、人材が解雇されたりすると、供給能力が急激に低下する。
これは、ここ３０年で日本の政府がやり続けてきた政策だね。
病院の数や病床が少ないのも、この政策の当然の帰結。
つまり、コロナショックで財政支出を渋って、企業が倒産したり、人材が解雇されたりすると、供給能力が急激に低下する。
うさぴょん
ふむふむ。
たぬき先生
一方、それらの人たちを保護するため、財政支出せざるを得ない状態が発生する。
すると、需要はあるのに供給能力が極めて小さいという状況が発生する可能性がある。
企業や人材の育成には時間がかかるからだ。
こうして、経済は縮小したにも関わらずインフレギャップが発生する可能性があるんだ。
すると、需要はあるのに供給能力が極めて小さいという状況が発生する可能性がある。
企業や人材の育成には時間がかかるからだ。
こうして、経済は縮小したにも関わらずインフレギャップが発生する可能性があるんだ。
うさぴょん
えーっ、それは嫌なんだぴょん。
たぬき先生
だからこそ、企業と人材を守り、供給能力を守るために、国家は積極的に財政支出をする必要がある。
実際のこころ、国家が財政支出をするよりどころは財政均衡とか税金とかではなく、国家全体の供給能力なんだ。
供給能力が破壊されれば、国家は衰退せざるを得ない。
実際のこころ、国家が財政支出をするよりどころは財政均衡とか税金とかではなく、国家全体の供給能力なんだ。
供給能力が破壊されれば、国家は衰退せざるを得ない。
うさぴょん
怖いんだぴょん。
たぬき先生
だから、皆で団結して乗り切ろうとか言う精神論じゃなく、政府が支出しないとどうにもならない。
国民の間でお金を動かしても、GDPには影響はでないからね。
団結すること自体は悪い事じゃないけれど、それはそれ、これはこれだってこと。
なので、投資家としては、国がどれだけ真水で支出するか、企業を守るか、雇用を守るかを見ていれば、その国のマクロ経済は手に取るようにわかるよ。
国民の間でお金を動かしても、GDPには影響はでないからね。
団結すること自体は悪い事じゃないけれど、それはそれ、これはこれだってこと。
なので、投資家としては、国がどれだけ真水で支出するか、企業を守るか、雇用を守るかを見ていれば、その国のマクロ経済は手に取るようにわかるよ。
うさぴょん
了解だぴょん。
投資は自己責任。
リスク管理を徹底して楽しみましょう。