【投資信託】みつぼしフライトのメリット/デメリットを評価する ~たぬき先生とうさぴょんの楽々投資教室~

みつぼしフライトは当初は95%の元本保証で運用し、基準価額が5%上昇した時点で100%の元本保証に切り替わるファンドです。

この保証する基準を「確保ライン」と呼ぶようです。

しかし、この投資信託には元本保証と言うメリットと引き換えに、上昇力、運用コスト、長期的な利益の確保が犠牲になっているとたぬき先生は言います。

たぬき先生の講義を覗いてみましょう。

みつぼしフライトの仕組みとメリット

うさぴょん
うさぴょん
たぬき先生、友だちが「みつぼしフライト」って投資信託に投資しているんだぴょん。
これって元本保証でお得らしいんだけど、おすすめなのかぴょん?
たぬき先生
たぬき先生
まず、「みつぼしフライト」について説明しよう。
「みつぼしフライト」は募集期間が限定された元本の95%が保証された投資信託だ。
現在、3ヶ月毎に募集をかけている。
さらに、基準価額が5%以上あがれば、そのタイミングから100%の元本保証に切り替わる。
この元本保証の基準を「確保ライン」と言うのだが、万が一この「確保ライン」まで基準価額が下落したり、20営業日連続で「確保ライン」との差が50円未満なら繰り上げ償還されるんだ。
うさぴょん
うさぴょん
じゃあ、最大5%損する可能性はあるけど、基準価額が5%以上あがれば、100%の元本保証になるんだぴょん。
これは、なかなか頼もしいんだぴょん。
たぬき先生
たぬき先生
まあ、それを実現するために色々デメリットもあるんだがな。
うさぴょん
うさぴょん
えっ、どう言うことぴょん?



「みつぼしフライト」のデメリット【その1】確保ラインに近い状態での上昇力の低下

たぬき先生
たぬき先生
まず、「確保ライン」に近い状態での上昇力の低下だ。
確保ラインを下回ったらその時点で償還確定だから、なんとしてもそれは避けなければならない。
そうすると、債券中心に運用せざるを得ず、その場合の期待リターンは超長期の年率平均で言うと1.5%前後だ。
事実、2019年3月11日に設定された「みつぼしフライト2019-03」の2019年10月31日時点の投資比率を見ると75.6%が債券になっている。
うさぴょん
うさぴょん
株式の比率を上げると、下落の可能性が高くなるからなのかぴょん?

たぬき先生
たぬき先生
その通りだ。
株式を中心にすれば、上昇力もあがるかわりに、下落の可能性もあがる。
だから、債券中心になるんだが、そうすると「確保ライン」からなかなか大きく離れることができないんだ。
しかも、大きなコストがさらに追加されると、「確保ライン」からの離陸からはますます遠ざかる。
うさぴょん
うさぴょん
それは、どう言うことなんだぴょん?



「みつぼしフライト」のデメリット【その2】運用コストの上昇

たぬき先生
たぬき先生
「みつぼしフライト」は、その性質上インデックス投信ではない。
状況によって投資比率などを変えてかなければならないからだ。
つまり、これはアクティブファンドだということだ。
うさぴょん
うさぴょん
アクティブファンドだと何が問題なのかぴょん?
たぬき先生
たぬき先生
アクティブファンドの場合、通常は信託報酬が高くなる。
今回取り上げた「みつぼしフライト」についても例外ではなく、信託報酬は税抜で1.13%だ。
さらに、年率0.216%の保証料が加わる。
これは「確保ライン」を保証するための契約だ。
債券主体で利益が薄い時に、この信託報酬では利益の多くが吹っ飛ぶね。
うさぴょん
うさぴょん
そうなんだぴょん。
でも、目論見書には「リスク性資産割合」が50%未満の場合は信託報酬が下がるって書いてあるぴょん。
たぬき先生
たぬき先生
そこに書いてある「リスク性資産」には、普通の債券は含まれない。
「リスク性資産」と見なされないものは、現金か短期公社債投信等、通常元本割れの可能性がゼロと見なされるものだけだ。
収益は当然少ない。
現金に至っては当たり前だが収益ゼロだ。
だから、「リスク性資産割合」が50%未満になるってことは、確保ラインギリギリだったり、大規模な下落が発生して一時的に大量の資産を売却したなど、かなりの異常事態でしか起き得ないと思うね。
うさぴょん
うさぴょん
そうなのかぴょん。



「みつぼしフライト」のデメリット【その3】長期的な利益の確保が難しいケースが想定される

たぬき先生
たぬき先生
そしてもっとも問題なのは、長期的な利益確保ができない場合があると言うことだ。
市場の大幅な下落があった場合、長期投資家はその状況を知りつつも、回復まで待つ。
むしろ、慣れている投資家ほど、その状況で買う。
しかし、「みつぼしフライト」では、その時点で繰り上げ償還されてしまう可能性あるので、回復を待つと言うアクションが不可能になる可能性が高い。
例えば、5年、10年育てた含み益が、マイナスにはならないにしろ一瞬にしてゼロになるわけだ。
ある程度待てば、もとに戻る可能性が高い場合でもね。
うさぴょん
うさぴょん
そ、それはこまるぴょん。
たぬき先生
たぬき先生
でも、それはそれで上級者的な使い方ができるんだけどね。
例えば、暴落が起きた時の保険として、メインの投資とは別に「みつぼしフライト」に投資する。
暴落が起きなければ、そのまま増え続けるし、暴落が起きれば繰り上げ償還がかかる可能性がある。
繰り上げ償還がかかった場合は、そのお金を使って暴落後の投資信託や米国株を買いまくる。
うさぴょん
うさぴょん
他人の不幸に乗じて儲けるみたいで気が引けるんだぴょん。
たぬき先生
たぬき先生
いずれにしても、本来元本保証の無い投資の世界で、元本保証をするってことは、それなりのコストとデメリットがあるのが当たり前なんだ。
安全にはコストがかかるから、元本保証をすれば、非効率な投資になるのは当たり前だね。

投資は自己責任。

リスク管理を徹底して楽しみましょう。