米国株式、ETFの最低取引手数料無料化で、積立、分散、配当再投資の進化と落とし穴

米国株式、ETFの革命的な最低手数料無料化で、米国株式、ETFでの少額投資が可能となりました。

具体的には、2019年7月22日(月)からの主要ネット証券3社の米国株式最低手数料無料化の動きを指しています。

この手数料革命により、誰でも米国株式、ETFで、積立、分散、そして配当再投資の恩恵を受けられるようになったのです。

これから、その内容と米国株式、ETFの最低手数料無料化で何が変わるのかを説明していきましょう。

そして、陥りやすい罠についても最後に解説します。

米国株式、ETFの最低手数料無料化って一体なに?

日本には米国株式を扱う主要ネット証券会社が3社あります。

具体的には以下の3社のことです。

  • SBI証券
  • 楽天証券
  • マネックス証券

では、どんな変更があったのでしょうか?

一覧表にしてみました。

2019/7/19(金)以前 2019/7/22(月)以降
最低取引手数料
(税抜き)
5ドル 0ドル
取引手数料
(税抜き)
約定代金の0.45 % 約定代金の0.45 %
上限取引手数料
(税抜き)
20ドル 20ドル

変更点は最低取引手数料の部分です。

変更前は、約定代金1,112ドルまでは手数料は5ドル固定でした。

この場合、1,112ドル以下で米国株式、ETFを買うと手数料が割高になります。

例えば、500ドルで米国株式、ETFを買った場合、変更前のルールではその手数料は5ドルになりますよね。

これは、約定金額の1%です。

投資において手数料は削減すべきコストなので、1%が許容できる限界です。

つまり、最低手数料が5ドルであれば、500ドルより少額での投資は割高でできません。

つまり、一度の取引で最低500ドルの資金が必要になります。

さらに、手数料率を0.45%にしたいのであれば、最低1,112ドル以上の資金が必要になります。

為替レートを1ドル110円とした場合、最低でも55,000円以上出来れば122,320円以上の資金が一度の取引で必要になっていたわけです。

しかし、最低取引手数料が0円になったことで、これらの制約がなくなります。

どれだけ安い取引をしても、手数料は約定金額の0.45%です。

しかも、切り捨てなので約定代金が2.05ドル以下なら、文字通り手数料が0円になります。

これで、少額で投資ができるようになったのは理解できましたよね?

それでは、それにより何が変わるのかを説明していきましょう。


米国株式、ETFへの積立投資が手軽にできるようになる

普通のサラリーマンが積立投資をはじめる場合、ひと月いくらぐらい出せると思いますか?

55,000円とか122,320円以上を毎月積み立てるケースは、特に初心者の場合はほぼ皆無ではないでしょうか。

最初は、毎月3万円くらいからはじめるのが普通でしょう。

最低手数料が0円になったことで、このような少額での積立てが可能になったのです。

今まで迷っていた方も、ぜひ検討してみてください。


米国株式、ETFへの分散投資が少額からはじめられる

さらに、少額での投資が可能になった事で、こまめな分散投資が可能になりました。

今までは、55,000円とか122,320円が一度の取引の単位になっていたので、

10万円で投資をした場合、一度に買えるのは一銘柄だけでした。

しかし、最低手数料が0円になったことで、この金額でも分散して買うことができるようになったのです。

必要があれば、いつでもこまめに分散できるのは安心ですね。


米国株式での配当再投資が少額から可能になる

そして、個別銘柄に投資した場合、数百万程度だと配当再投資に微妙に困ることがありました。

配当が、55,000円とか122,320円くらいになるまで時間がかかるからです。

しかし、最低手数料が0円になったことで、そこまで貯まらなくても配当再投資ができるようになりました。

数百万円程度から、配当再投資の醍醐味を味わえるようになったのです。


唯一の罠、それは…

それは、株価です。

米国株は1株単位で変えますが、逆を言えば一株分の金額は必要な訳です。

代表的な銘柄の株価をざっと書いてみましょう。

▼ETF

  • VOO 275.41ドル(7/25(木)終値)
  • VTI 153.30ドル(7/25(木)終値)

▼個別銘柄

  • KO(コカコーラ) 53.07ドル(7/25(木)終値)
  • MCD(マクドナルド) 214.44ドル(7/25(木)終値)

長期投資対象となる銘柄の価格は、だいたいこんなところです。

ですから、一度の取引の現実的な額は、やはり最低でも数万円くらいと考えた方が良いです。

取引額が0円となるほど安い銘柄は、大抵の場合はリスキーで、長期投資には向きません。

投資は自己責任。

リスク管理を徹底して楽しみましょう。