【投資信託】あんしんスイッチの運用実績、仕組みとデメリットを評判にまどわされずに評価する ~たぬき先生とうさぴょんの楽々投資教室~

「あんしんスイッチ」は、当初は90%の元本保証で運用し、基準価額が6%上昇した時点で100%の元本保証に切り替わるファンドです。

そして、さらに基準価額が上昇すると、最高基準価額からは10%以上減らない仕組みになっています。

このどんどん上昇して行く保証基準を「プロテクトライン」と呼んでいます。

しかし、この「プロテクトライン」と言う仕組みが、この投資信託を泥沼に引き込む元凶だと、たぬき先生は言います。

たぬき先生の講義を覗いてみましょう。

「あんしんスイッチ」の仕組み

うさぴょん
うさぴょん
たぬき先生、友だちが「あんしんスイッチ」って投資信託に投資したんだけど、最近やめようか悩んでいるみたいなんだぴょん。
「あんしんスイッチ」ってどんな投資信託なのか知りたいんだぴょん。
たぬき先生
たぬき先生
ああ、これね。
すげー儲かるよ、販売会社がな。
うさぴょん
うさぴょん
えっ、いやでもビジネスなんだからそりゃ多少は儲けないと…
たぬき先生
たぬき先生
いやいや、販売会社だけで年率0.65%(税抜)って今どき、なかなか無いぞ。
うさぴょん
うさぴょん
でも、信託報酬が0.65%ならありなんじゃないのかぴょん?
たぬき先生
たぬき先生
だから、販売会社だけでって言ってるだろ。
委託会社が0.45%(税抜)、販売会社が0.65%(税抜)、受託会社が0.03%(税抜)、保証料0.22%で、合計はどうなるでしょう?
うさぴょん
うさぴょん
えーっと、1.13%(税抜)に消費税率10%を足して1.243%に保証料0.22%を足すと、1.463%だぴょん。
ところで、保証料って消費税はいらないのかぴょん?
たぬき先生
たぬき先生
おそらく、海外の会社だから消費税は課税されないんだろう。
1.463%が安いと思うか?
うさぴょん
うさぴょん
いや、安くないけど…どんどん増えて行くなら安いかもしれないぴょん。
たぬき先生
たぬき先生
甘い、甘いぞ!
まるで砂糖水のように甘い。
まあ、良い。
まずは、「あんしんスイッチ」の仕組みを説明しよう。
うさぴょん
うさぴょん
教えてくれぴょん。
たぬき先生
たぬき先生
「あんしんスイッチ」には「プロテクトライン」と言うものが設定されていて、その「プロテクトライン」まで基準価額が下落すると強制的に繰り上げ償還される。
つまり、「プロテクトライン」までは、資産が守られると言うことだ。
うさぴょん
うさぴょん
ふむ。
たぬき先生
たぬき先生
そして、「あんしんスイッチ」の最初の基準価額は10,000円で、最初の「プロテクトライン」は9,000円。
つまり、90%の元本保証だ。
うさぴょん
うさぴょん
ふむ。
たぬき先生
たぬき先生
そして、基準価額が10,600円に達したら、「プロテクトライン」は10,000円になる。
つまり、100%の元本保証。
そして、さらに基準価額が11,111円に達すると、基準価額の最高値の90%が「プロテクトライン」になる。
うさぴょん
うさぴょん
なんで11,111円なんだぴょん?
たぬき先生
たぬき先生
11,111円に90%をかけてみな。
うさぴょん
うさぴょん
11,111×90%(0.9)=9,999.9円だぴょん。
たぬき先生
たぬき先生
0.1円切り上げると10,000円だよね。
つまり、11,111円以下だと10,600円で到達した「プロテクトライン」より下になっちゃうから対象外にしただけだ。
「プロテクトライン」はこのようにどんどん上がって行くが、下がる事は絶対にない。
うさぴょん
うさぴょん
やっぱり、頼もしいと思うんだけどちがうのかぴょん?



「あんしんスイッチ」のデメリット【その1】プロテクトラインの制限で成長力が大幅に削がれる

たぬき先生
たぬき先生
さっきも説明したように、「プロテクトライン」の仕組みのせいで、最高値から10%下落すると確実に繰り上げ償還されてしまう。
10、600円から11,111円の間は6~10%なのでもっと厳しい。
逆に、10,600円までは最大約15%の余裕があるので一番楽な時期だ。
こういう構造だから価格変動の小さい投資対象の比率を高めざるを得ない。
ということは、リターンもそれなりに減る。
うさぴょん
うさぴょん
具体的にどの程度減るんだぴょん?
たぬき先生
たぬき先生
実績を見てみようか。
「あんしんスイッチ」は2017年7月28日が設定日で、当然この時の基準価額は10、000円だ。
それでは、2019年11月22日の基準価額はいくらだと思う?
2年以上経っているよね?
うさぴょん
うさぴょん
う~ん。
3%くらい増えて10,300円くらいかぴょん?
たぬき先生
たぬき先生
微妙に現実的な数字を出して来たな。
しかし、惜しい。
正解は10、095円だ。
因みに、分配金込みでも同じ。
分配金は支払われていないってことだね。
うさぴょん
うさぴょん
へっ?
2年で1%行ってないって…
たぬき先生
たぬき先生
実際問題、投資はそういうこともあるから、この数値自体を責めるつもりはない。
ただ、構造上こうならざるを得ないんだよね。
うさぴょん
うさぴょん
構造上?
たぬき先生
たぬき先生
そう。
さっきも言った、「プロテクトライン」の制約だ。
下がりにくい投資対象ってのは、当然ながら上がりにくい。
そういう投資対象を選んでいるんだから上がらない。
2年経っても最初の「プロテクトライン」の更新も出来ないのは当たり前だね。
でも、逆に言うと保守的な運用が未来永劫続くから、暴落して繰り上げ償還と言う事態にはなりにくいね。



「あんしんスイッチ」のデメリット【その2】運用コストが利益を喰う構造

たぬき先生
たぬき先生
そして、当然「あんしんスイッチ」は、その性質上インデックス投信ではないので、アクティブファンドだ。
アクティブファンドは、信託報酬が高い傾向がある。
なぜなら、それらを管理する人材や体制が必要になるからだ。
うさぴょん
うさぴょん
信託報酬のはなしは最初に聞いたからわかるぴょん。
たぬき先生
たぬき先生
年率1.463%のコストの意味を本当に理解している?
うさぴょん
うさぴょん
もちろんだぴょん?
たぬき先生
たぬき先生
じゃあ、設定来2年ちょっとで基準価額はどれだけ伸びた?
うさぴょん
うさぴょん
基準価額が10,095円になったから0.95%…あっ!
たぬき先生
たぬき先生
投資している方は2年間で0.95%しか増えていない。
これを年率に直すと約0.47%になる。
一方、運用している方は年間1.463%を取っているよね?
つまり、1.468÷0.47=約3.11倍を、売っている方は取っている計算だ。
ほうら、投資家より売ってる方が儲かるだろう。
ちなみに、1.463%と0.47%を足すと1.933%になるよね。
年率で1.933%は、安全運転にしては頑張ってる方なんだ。
だけど、大部分をもらうのは売ってる方だけどね。
うさぴょん
うさぴょん
えーーーーーっ?
そんな…

投資は自己責任。

リスク管理を徹底して楽しみましょう。