AI投資ってなに? ウェルスナビって儲かるのかぴょん? ~たぬき先生とうさぴょんの楽々投資教室~

うさぴょんは、AI投資が儲かると言う話を友だちから聞いてきた。

なんでも、その友だちはAIで運用されているウェルスナビに投資をしているようだ。

そこで、たぬき先生にAI投資について教えてもらいに来たのだが…

AI投資ってなに? ゴールドマンサックスの事例から

うさぴょん
うさぴょん
たぬき先生!
今日はAI投資について教えて欲しいんだぴょん。
たぬき先生
たぬき先生
AI投資か…
うさぴょん
うさぴょん
なんか気乗りしないように見えるぴょん。
たぬき先生
たぬき先生
上手く使えば便利ではあるんだけど、世の中で騒がれているほど儲かるもんでもないからね。
うさぴょん
うさぴょん
でも、AIやコンピューターを駆使した投資ってスゴイんじゅないのかぴょん?
たぬき先生
たぬき先生
まあ、うさぴょんだけがAI使ってるんならスゴイかもしれないけれどさ。
現在の金融市場に参加しているプレイヤーの9割以上はAIやコンピューターだから、今さらAIを使ったところで「だから?」ってことになるんだよね。
うさぴょん
うさぴょん
えーーーーーーっ!
たぬき先生
たぬき先生
例えば、世界的に有名な証券会社のゴールドマンサックでは、2000年には600人いた投資銀行の大口顧客向けのトレーダーが2017年には2人に減って、それらの業務は自動取引プログラムに置き換わった。
金融の世界では有名な話だけどね。
うさぴょん
うさぴょん
でも、それってただのオンライントレード化ってことじゃないのかぴょん?
たぬき先生
たぬき先生
金融分野が発達している英語の原文でtradersと書かれているので違うね。
顧客の資産を預かる場合のtrader=トレーダーと言う職業は、売買の判断は自分の責任で行い、叩きだした利益に比例した報酬を得る職業なんだ。
つまり、利益を出さなきゃ報酬をもらえない。
一方で、オンライントレードて言うのは注文をオンラインで受けるディーリング業務なので全く別の職業だね。
うさぴょん
うさぴょん
それって、つまりゴールドマンサックスの自動取引プログラムってかなり本格的なプログラムってことなのかぴょん?
たぬき先生
たぬき先生
そうだね。
まあ、それを説明したゴールドマンサックスのマーティ・チャベツCEOは自動取引プログラムと表現したけど、事実上はAIだね。
AIの手法である機械学習なども取り入れているし。
ちなみに、原文から抜粋するとこんな感じで説明しているよ。

Complex trading algorithms, some with machine-learning capabilities, first replaced trades where the price of what’s being sold was easy to determine on the market, including the stocks traded by Goldman’s old 600.

うさぴょん
うさぴょん
その英文、超簡単に説明してぴょん!
たぬき先生
たぬき先生
難しいことを簡単に言うな…
じゃあ、やってみるか。

興味がなければこの部分は飛ばしても良いよ。

うさぴょん
うさぴょん
了解ぴょん!
たぬき先生
たぬき先生
まず、英文中の修飾節=飾りの部分をカッコでくくりだす。

Complex trading algorithms(, some with machine-learning capabilities,) first replaced trades (where the price of what’s being sold was easy to determine on the market)(, including the stocks traded by Goldman’s old 600).

で、カッコの部分を削除するとこういう英文になる。

Complex trading algorithms first replaced trades.
=手始めに複雑な取引アルゴリズムがトレードを取って代わった

うさぴょん
うさぴょん
ふむふむ
たぬき先生
たぬき先生
次に、「some~」の部分だけど、これは「Complex~」の部分を説明しているんだ。

Complex trading algorithms ←「, some with machine-learning capabilities,」
=機械学習の機能を備えた複雑な取引アルゴリズムが

うさぴょん
うさぴょん
なるほど。
たぬき先生
たぬき先生
次に、「where~」の部分は「trades」の部分を説明している。

trades ←「where the price of what’s being sold was easy to determine on the market」
=売られているモノの価格が市場で簡単に決まる取引
=市場取引

このあたりは英語の理屈っぽさが出てるね。

次もちょっと構造がつかみにくいかもしれないね。

「, including the stocks~」の部分、これは「~what~」のwhat(=取引されているモノ)の説明になっている。

trades where the price of 「what」’s being sold was easy to determine on the market ←「, including the stocks traded by Goldman’s old 600」
=ゴールドマンサックスで過去に600人が取引していた株式を含む市場取引

うさぴょん
うさぴょん
うむうむ
たぬき先生
たぬき先生
で、全部合わせると…

Complex trading algorithms(, some with machine-learning capabilities,) first replaced trades (where the price of what’s being sold was easy to determine on the market)(, including the stocks traded by Goldman’s old 600).
=手始めに機械学習の機能を備えた複雑な取引アルゴリズムが、ゴールドマンサックスで過去に600人が取引していた株式を含む市場取引のトレードを取って代わった

わかったかい?

うさぴょん
うさぴょん
わかったぴょん!
日本語の部分だけだけど…
たぬき先生
たぬき先生
まあ、それでもいいや。
ゴールドマンサックスの話は有名だから今回紹介したけど、今の時代、証券会社はどこも似たようなことをやってるよ。
AI投資と銘を打っていようがいまいが、ほぼすべてコンピューター化されているってこと。



AI投資には2種類ある

うさぴょん
うさぴょん
じゃあ、世間でAI投資って騒いでいるのはどういうことぴょん?
たぬき先生
たぬき先生
AI投資には2つのコンセプトがあって、それを売りにしていると僕は見ている。
一つ目は独自のトレードアルゴリズムをAIを使って運用するトレードアルゴリズムタイプ。
二つ目は長期投資のポートフォリオを最適化するポートフォリオ管理タイプ。
うさぴょん
うさぴょん
ふーん。
AI投資には2種類あるんだ。
うさぴょんの友だちは、アドバイス型とか投資一任型とか言っていたけど…
たぬき先生
たぬき先生
世間ではそう言う分け方が多いみたいだね。
でも、本質的な違いはトレードアルゴリズムタイプかポートフォリオ管理タイプの違いだと僕は考えているよ。
そして、トレードアルゴリズムタイプはおすすめできないね。



トレードアルゴリズムタイプの落とし穴

うさぴょん
うさぴょん
なんで、トレードアルゴリズムタイプはダメなんだぴょん?
たぬき先生
たぬき先生
勝ち続けられる理由が見つからないんだよね。
うさぴょん
うさぴょん
それは、どういうことだぴょん?
たぬき先生
たぬき先生
例えば、確実に儲かるAI投資信託があったとるよ。
どんなやり方でも良い。
なんらかの方法で、安く買って高く売れれば儲かるってのはわかるよね?
うさぴょん
うさぴょん
それくらいは、わかるぴょん。
たぬき先生
たぬき先生
そういう投資信託があったら、みんなが買うよね?
うさぴょん
うさぴょん
もちろんだぴょん。
たぬき先生
たぬき先生
すると、同じように安く買おうとしても自分自身の大量の買い注文自体が買い値を吊り上げてしまう。
一方、売る時も自分自身の大量の売り注文自体が売値を押し下げてしまうんだ。
うさぴょん
うさぴょん
ほう。
たぬき先生
たぬき先生
当然、大きな取引は他のAIプレイヤーも監視していて、模倣もされるし利用もされる。
うさぴょん
うさぴょん
ふーむ。
たぬき先生
たぬき先生
もっと、専門的な話もできるけど、AIであろうがなかろうが、とにかく勝ち続けるのは難しいんだ。
それに、まわりもAIなんだから、そう簡単に出し抜けない。
うさぴょん
うさぴょん
難しんだな。
たぬき先生
たぬき先生
それと、アルゴリズムを利用者が選択する形式のサービスもあるみたいだけど、あれも初心者は手を出すべきではないね。
うさぴょん
うさぴょん
それは、何でだぴょん?
たぬき先生
たぬき先生
一番の問題は、オーバーフィッティングだ。
うさぴょん
うさぴょん
オーバーフィッティングって、何だぴょん?
たぬき先生
たぬき先生
通常、トレードアルゴリズムの評価は、過去のデータを使ったバックテストで行われるんだけど、このバックテストの評価自体が簡単ではないんだよ。
うさぴょん
うさぴょん
過去の実績を見るだけだから簡単なんじゃないのかぴょん?
たぬき先生
たぬき先生
過去の一定期間で最大のパフォーマンスを出すように調整したアルゴリズムは、一般的に使い物にならないのが普通で、これをオーバーフィッティングと言うんだ。
うさぴょん
うさぴょん
えっ、何でだぴょん?
たぬき先生
たぬき先生
理想的なアルゴリズムは、バックテストをした期間の中で、今後の発生し続ける見込みの高い動きに対しては利益を出し、そうで無い動きに対してはあまり貪欲に利益を出そうとすべきじゃないんだ。
うさぴょん
うさぴょん
すべての動きで利益を出した方が良いような気がするけど…
たぬき先生
たぬき先生
そこが過去と未来の違いだ。
未来が完全に過去の繰り返しならそれで良い。
しかし、そうはならないのが普通だ。
であれば、過去の一定期間に完璧なパフォーマンスを出したアルゴリズムが、過去とは違う未来ではパフォーマンスは必ず劣化する。
これが、オーバーフィッティングが発生する理由だ。
うさぴょん
うさぴょん
なるほど、難しいぴょん。
たぬき先生
たぬき先生
まだまだあるぞ。
次の問題は、抽出期間。
市場は波を描いているので、どんな投資信託でも期間の取り方で、損失しているようにも、利益が出ているようにも見せることができる。
トレードアルゴリズムタイプの投資信託を買うのであれば、これを見抜く力が必要だね。
うさぴょん
うさぴょん
色々、難しい事のオンパレードだぴょん。
たぬき先生
たぬき先生
だから、おすすめしないんだ。
ついでに言うと、トレードアルゴリズムタイプの投資信託を購入したとして、下落したらどうする?
うさぴょん
うさぴょん
どうすれば良いのかぴょん?
たぬき先生
たぬき先生
損切りをするのであれば、購入時点でボラティリティ、資産全体に対して与えるリスク量、それらから割り出した損切ライン等を明確に決めて置く必要がある。
しかし、個別銘柄ではなく、投資信託におまかせしてしまった場合、それらの計算が難しい。
一方で、買ってから絶対に売らないと決めるだけの理由をトレードアルゴリズムタイプの投資信託に見出すことは難しい。
結論としては、試しに買ってみるのは良いけど、メインに据えない方が良いと思う。



ポートフォリオ管理タイプとウェルスナビ

うさぴょん
うさぴょん
ところで、ポートフォリオ管理タイプはどうなんだぴょん?
たぬき先生
たぬき先生
ポートフォリオ管理タイプは道具として使うには良いんじゃないかな?
うさぴょん
うさぴょん
道具として使う?
たぬき先生
たぬき先生
ポートフォリオ管理タイプはどちらかと言うと資産保全を重視していて、「どんどん儲けるぜ!」ってタイプではないんだよね。
ポートフォリオのバランスを最適化して、資産を守るのが第一の目的。
その目的を達成する中で、できるだけ資産を増やすのが第二の目的。
このあたりは、数式化されている部分が多いのでAIを道具として扱うには便利なんだよね。
うさぴょん
うさぴょん
そっか、それで有名なのがウェルスナビってことなんだぴょん?
たぬき先生
たぬき先生
その通り。
ウェルスナビがなぜ良いかと言うと、使用するポートフォリオ管理のアルゴリズムや銘柄選定方法などが完全に公開されていると。
この透明性はかなり大きい。
そして、そのアルゴリズムは、簡単に言うと市場の流に従うポリシーだから、取引自体が市場に影響を与えることもなければ、模倣されて困ることもない。
詳しい事は「超初心者におすすめの投資信託【ウェルスナビ(WealthNavi)】で経験ゼロから無理なく投資力をつける方法を徹底解説」に書いたから、興味があれば見に行くべし。

投資は自己責任。
リスク管理を徹底して楽しみましょう。