うさぴょんは、AI投資が儲かると言う話を友だちから聞いてきた。
なんでも、その友だちはAIで運用されているウェルスナビに投資をしているようだ。
そこで、たぬき先生にAI投資について教えてもらいに来たのだが…
AI投資ってなに? ゴールドマンサックスの事例から

今日はAI投資について教えて欲しいんだぴょん。





現在の金融市場に参加しているプレイヤーの9割以上はAIやコンピューターだから、今さらAIを使ったところで「だから?」ってことになるんだよね。


金融の世界では有名な話だけどね。


顧客の資産を預かる場合のtrader=トレーダーと言う職業は、売買の判断は自分の責任で行い、叩きだした利益に比例した報酬を得る職業なんだ。
つまり、利益を出さなきゃ報酬をもらえない。
一方で、オンライントレードて言うのは注文をオンラインで受けるディーリング業務なので全く別の職業だね。


まあ、それを説明したゴールドマンサックスのマーティ・チャベツCEOは自動取引プログラムと表現したけど、事実上はAIだね。
AIの手法である機械学習なども取り入れているし。
ちなみに、原文から抜粋するとこんな感じで説明しているよ。
Complex trading algorithms, some with machine-learning capabilities, first replaced trades where the price of what’s being sold was easy to determine on the market, including the stocks traded by Goldman’s old 600.


じゃあ、やってみるか。
興味がなければこの部分は飛ばしても良いよ。


Complex trading algorithms(, some with machine-learning capabilities,) first replaced trades (where the price of what’s being sold was easy to determine on the market)(, including the stocks traded by Goldman’s old 600).
で、カッコの部分を削除するとこういう英文になる。
Complex trading algorithms first replaced trades.
=手始めに複雑な取引アルゴリズムがトレードを取って代わった


Complex trading algorithms ←「, some with machine-learning capabilities,」
=機械学習の機能を備えた複雑な取引アルゴリズムが


trades ←「where the price of what’s being sold was easy to determine on the market」
=売られているモノの価格が市場で簡単に決まる取引
=市場取引
このあたりは英語の理屈っぽさが出てるね。
次もちょっと構造がつかみにくいかもしれないね。
「, including the stocks~」の部分、これは「~what~」のwhat(=取引されているモノ)の説明になっている。
trades where the price of 「what」’s being sold was easy to determine on the market ←「, including the stocks traded by Goldman’s old 600」
=ゴールドマンサックスで過去に600人が取引していた株式を含む市場取引


Complex trading algorithms(, some with machine-learning capabilities,) first replaced trades (where the price of what’s being sold was easy to determine on the market)(, including the stocks traded by Goldman’s old 600).
=手始めに機械学習の機能を備えた複雑な取引アルゴリズムが、ゴールドマンサックスで過去に600人が取引していた株式を含む市場取引のトレードを取って代わった
わかったかい?

日本語の部分だけだけど…

ゴールドマンサックスの話は有名だから今回紹介したけど、今の時代、証券会社はどこも似たようなことをやってるよ。
AI投資と銘を打っていようがいまいが、ほぼすべてコンピューター化されているってこと。
AI投資には2種類ある


一つ目は独自のトレードアルゴリズムをAIを使って運用するトレードアルゴリズムタイプ。
二つ目は長期投資のポートフォリオを最適化するポートフォリオ管理タイプ。

AI投資には2種類あるんだ。
うさぴょんの友だちは、アドバイス型とか投資一任型とか言っていたけど…

でも、本質的な違いはトレードアルゴリズムタイプかポートフォリオ管理タイプの違いだと僕は考えているよ。
そして、トレードアルゴリズムタイプはおすすめできないね。
トレードアルゴリズムタイプの落とし穴




どんなやり方でも良い。
なんらかの方法で、安く買って高く売れれば儲かるってのはわかるよね?




一方、売る時も自分自身の大量の売り注文自体が売値を押し下げてしまうんだ。




それに、まわりもAIなんだから、そう簡単に出し抜けない。












未来が完全に過去の繰り返しならそれで良い。
しかし、そうはならないのが普通だ。
であれば、過去の一定期間に完璧なパフォーマンスを出したアルゴリズムが、過去とは違う未来ではパフォーマンスは必ず劣化する。
これが、オーバーフィッティングが発生する理由だ。


次の問題は、抽出期間。
市場は波を描いているので、どんな投資信託でも期間の取り方で、損失しているようにも、利益が出ているようにも見せることができる。
トレードアルゴリズムタイプの投資信託を買うのであれば、これを見抜く力が必要だね。


ついでに言うと、トレードアルゴリズムタイプの投資信託を購入したとして、下落したらどうする?


しかし、個別銘柄ではなく、投資信託におまかせしてしまった場合、それらの計算が難しい。
一方で、買ってから絶対に売らないと決めるだけの理由をトレードアルゴリズムタイプの投資信託に見出すことは難しい。
結論としては、試しに買ってみるのは良いけど、メインに据えない方が良いと思う。
ポートフォリオ管理タイプとウェルスナビ




ポートフォリオのバランスを最適化して、資産を守るのが第一の目的。
その目的を達成する中で、できるだけ資産を増やすのが第二の目的。
このあたりは、数式化されている部分が多いのでAIを道具として扱うには便利なんだよね。


ウェルスナビがなぜ良いかと言うと、使用するポートフォリオ管理のアルゴリズムや銘柄選定方法などが完全に公開されていると。
この透明性はかなり大きい。
そして、そのアルゴリズムは、簡単に言うと市場の流に従うポリシーだから、取引自体が市場に影響を与えることもなければ、模倣されて困ることもない。
詳しい事は「超初心者におすすめの投資信託【ウェルスナビ(WealthNavi)】で経験ゼロから無理なく投資力をつける方法を徹底解説」に書いたから、興味があれば見に行くべし。
投資は自己責任。
リスク管理を徹底して楽しみましょう。