レバレッジ型バランスファンドの中で、シンプル・イズ・ベストと言う言葉をそのまま形にしたのが楽天・米国レバレッジバランス・ファンド(USA360)と言っても過言ではないでしょう。
当ブログの投資対象でコロナショックの最中でも好調です。
最新の運用実績は以下のカテゴリーで毎月公開しているのでご覧ください。
▼長期投資運用実績
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尚、楽天・米国レバレッジバランス・ファンド(USA360)のコロナショック渦中の2020/4/27現在のチャートに加え、2019/11/24を起点とするコロナショックによる下落/暴落時を含むNYダウやグローバル3倍3分法ファンドとのパフォーマンス比較について当記事の最後に追記しました。
また、このファンドのベースになっているレバレッジ型バランスファンドの基本的な性質については、以下の記事で解説しています。
当記事よりさらに突っ込んだ、本質が知りたい方はこちらをご覧ください。
▼レバレッジ型バランスファンドを比較するために理解すべき3つの視点、仕組みと本質を徹底解説
さらに、このファンドの先輩であり、レバレッジ型バランスファンドの元祖でもあるグローバル3倍3分法ファンドについては、以下の記事で詳しく紹介しているのでご覧ください。
▼グローバル3倍3分法ファンドの仕組み、評判、落とし穴を徹底評価【おすすめ投信】
楽天・米国レバレッジバランス・ファンド(USA360)は、グローバル3倍3分法ファンドの綿密なファンド設計を踏まえた上で、米国市場のみに投資を集中するなど極限までシンプルさを推し進めることで、グローバル3倍3分法ファンドとは違う優位性を持つ投資信託となりました。
ただし、最終的に当ブログでは、グローバル3倍3分法ファンドから楽天・米国レバレッジバランス・ファンド(USA360)に一本化することにしました。
▼【投資信託&米国株式】グローバル3倍3分法からUSA360(楽天・米国レバレッジバランス)に資金を移動して一本化します(2020年5月4日)
それでは、順を追って説明して行きましょう。
シンプルさを実現したUSA360の3つの戦略
まずは、楽天・米国レバレッジバランス・ファンド(USA360)でシンプルさを実現した、以下の3つの戦略を説明しましょう。
- 地域分散をかけずに米国の株式、国債市場に集中投資
- 90%の資金を米国株式投資で定評のあるETF(上場投資信託)であるVTIで運用
- 株式/国債比率1:3を目指し、米国国債先物取引で27倍のレバレッジをかける
地域分散をかけずに米国の株式、国債市場に集中投資
グローバル3倍3分法ファンドは地域と資産の両面において分散をかけてオールマイティなバランスファンドを目指しました。
一方、楽天・米国レバレッジバランス・ファンド(USA360)では米国市場の株式と国債のみに投資を集中させています。
これは、費用対効果を考えてのことでしょう。
現在、株式市場の時価総額の40%以上は米国株式市場です。
米国市場に続く時価総額を持つ東京証券取引所のシェアは約7%で、米国株式市場のナスダックでさえ約13%であることを考えると、いかに米国市場が巨大なものであるかがわかるでしょう。
そんなわけで、もっとも投資効果のある資産を選ぶとすれば、それは米国株となります。
それについては、以下の記事で解説しているので、良かったご覧ください。
▼なぜ、米国株が長期投資におすすめなのか?
また、債券についても、世界の基軸通貨であるドルに裏付けられた米国の国債に限定した投資をしています。
米国株と逆相関の動きを求めるなら、同じ米国の債券を選択するのは当然です。
また、国債に限定することで、リスクを最低限に抑えています。
これは、レバレッジをかける場合に重要なことです。
90%の資金を米国株式投資で定評のあるETF(上場投資信託)であるVTIで運用
米国株式への投資の具体的な方法を実にシンプルな方法で解決しています。
独自に一定比率で個別株を持つのではなく、ETF(上場投資信託)を購入するという訳です。
購入するのは「バンガ ード(R)・トータル・ストック・マーケットETF」ティッカーと言うアルファベット3文字の通称ではVTIと呼ばれている超有名ETFです。
簡単に言うと、米国株式市場全体と連動しているETF(上場投資信託)です。
バフェットの勧めたS&P500に連動しているVOOと比べても、パフォーマンスはそう変わりません。
トータルリターンはVTIがほんの少しだけ劣り、変動率はVTIが少しだけ高い。
ただ、それはこれまでの実績であるというだけで、確率的にはS&P500より米国市場全体への投資の方が安定する可能性も捨てきれない。
そういう意味で、レバレッジをかけた国債の利益を上乗せする前提であれば、より保守的な考えでVTIを選択すると言うのは正解だと思います。
株式/国債比率1:3を目指し、米国国債先物取引で27倍のレバレッジをかける
それではまず、楽天・米国レバレッジバランス・ファンド(USA360)のポートフォリオを見てみましょう。
この株式と債券の比率1:3と言うのは、なかなか適切な比率です。
インフレ調整後の超長期平均年間収益率の基準として用いられる株式4.5%、債券1.5%と言う数値があるのですが、これを基準とすると債券を株式の3倍持てば、対等な収益率での組合せになるからです。
そして、このポートフォリオを実現する仕組みが次の図です。
いずれも、楽天・米国レバレッジバランス・ファンド(USA360)の目論見書に記載されている情報です。
僕は、これを見て衝撃を受けました。
「なんて、シンプルなんだ!」
グローバル3倍3分法ファンドでは、株式とリートで100%の投資を実現するため、ちょっと複雑なことをしています。
日本株向けの20%の資金に11倍のレバレッジをかけて日本株と国債に投資することになります。
実際には、日本株への投資は、レバレッジをかけるため現物ではなく日経平均又はTOPIXなどの指数先物への投資になります。
20%の資金で、日本株式指数先物20%+各国国債先物200%の合計220%への投資をすると言うことです。
読んでいてうっすらと感じてもらえていると思いますが、これメッチャ難しいです。
日本株式指数の変動率を常に監視しながらレバレッジ比率を調整する必要があるのですから。
一方、楽天・米国レバレッジバランス・ファンド(USA360)では、10%の資金で27倍のレバレッジをかけて米国国債先物に投資するだけ。
これはこれで、言うほど簡単でもないんですが、グローバル3倍3分法ファンドのやり方と比べるとかなり単純です。
ただ、27倍のレバレッジをかけて米国国債先物取引をすれば良いんですから。
国債は株式と比べると圧倒的に変動率が小さいので、当然ながらレバレッジのリスクも株式に比べて圧倒的に小さいんですよ。
これだけシンプルな仕組みを作れば、グローバル3倍3分法ファンドと張り合う必要も無くなります。
性質がまったく別のファンドとして棲み分けが可能になるんですよね。
USA360を株式、債券価格の動き方でシミュレーションしてみよう
グローバル3倍3分法ファンドで分析で使用した、ジェレミー・シーゲルの「株式投資 第4版」の米国市場のデータを参考にした、ザックリとした株式と債券の長期保有のシミュレーションをここでも使いましょう。
かなりラフなシミュレーションです。
しかしながら、株式と債券の値動きの違いを知るにはなかなか便利なシミュレーションだと思っています。
まずは、株式から。
1万円を30年間投資した場合のザックリとしたシミュレーションです。
赤い線が最悪シナリオ、緑の線が最善シナリオ、青い線が中間シナリオです。
株式は値動きは激しいですが、10年以上の長期投資をした場合は損失リスクは無くなっていきます。
30年後は最悪でも約3倍になっていますね。
つまり、途中で目減りしてもひたすら長期投資をするのであれば、株式への投資が最も効率が良く、リスクも少ないと言えるでしょう。
楽天・米国レバレッジバランス・ファンド(USA360)では米国株の比率は90%なので、その場合のシミュレーションも出してみました。
あまり変わらないですね。
それでは次に、長期債券のシミュレーションを見てみましょう。
最悪シナリオの場合、数年程度の期間では損失額は株式より少ないですが、なかなか利益が出るようにはなりません。
長期投資を考えると株式よりリターンが少なく、リスクは却って高いと言えそうです。
では、この債券に2.7倍のレバレッジをかけたシミュレーションをお見せしましょう。
なんかすごいことになっていますが、最悪シナリオの場合、大したことはありません。
ここで一つ思い出して欲しいことがあります。
「株式と債券の価格は、負の相関関係を持っている」
特に米国に限った場合、株式が暴落した局面で迅速な利下げ誘導(=債券の値上げ)をする可能性が極めて高い。
そのため、特に下落/暴落局面においては、このセオリーが成立する可能性はより高くなります。
つまり、リスク分散としては、負の相関を前提に考えてほぼ問題ないと判断します。
それでは、リスク分散のために株式90%と債券270%の投資を合わせたらどうなると思いますか?
実際にやってみましょう。
難しい操作はしていません。
単純に株式90%の最悪シナリオと債券2.7倍の最善シナリオ、株式90%のの最善シナリオと債券2.7倍の最悪シナリオ、双方の中間シナリオを足し合わせただけです。
実際には、必ずしも反対の動きをするわけでなく傾向に過ぎないので、このシミュレーション通りになる保証はありません。
目安でしかないのは確かです。
それでも僕が言いたい事は伝わったと思います。
リスク、リターンとも大幅に改善されることが期待できるのです。
グローバル3倍3分法ファンドに比べると、変動幅は大きくなりますが、トータルリターンは増えます。
とは言え、単純に株式や債券に投資する場合に比べれば、圧倒的な低リスク/高リターンです。
「確かに、理論的にはそうだけど…」
そう、おっしゃるなら、楽天・米国レバレッジバランス・ファンド(USA360)を売り出している楽天投信投資顧問株式会社が作成した過去のデータに基づくシミュレーションをご覧ください。
過去のデータを使ったより詳細なUSA360のシミュレーション
では、早速ご覧いただきましょう。
以下のグラフが楽天投信投資顧問株式会社が作成した、過去のデータに基づくシミュレーションです。
米国市場が青いグラフで、楽天・米国レバレッジバランス・ファンド(USA360)が黄色いグラフです。
圧倒的な差ですよね。
ただ、過去データのシミュレーションは、過去に過ぎないと言うのも事実です。
ですから、将来もこのパフォーマンスが続くと信じるのは危険です。
飽くまでも、期待できると言う程度に心得て下さい。
USA360では、この落とし穴に気をつけろ!
ですが、良い事ばかりではありません。
そう、投資には必ず暴落がつきもの。
先ほどのシミュレーションで、下落の発生した部分を赤枠で囲んだのが以下の図です。
わかりにくいので拡大しましょう。
わかりにくいですが、青いところ=米国株式市場は半分くらいに落ち込んで、回復に5年ほどかかっています。
ところが、黄色い部分=楽天・米国レバレッジバランス・ファンド(USA360)の下落率は低く、回復の早さも圧倒的です。
ただ、いずれにしても下落はしています。
そして、長期投資をやっていれば下落、暴落はかならず経験します。
そんな時に慌てて売らずに、しっかり持ち続けるメンタルが必要ですね。
USA360のパフォーマンスをどう評価すれば良いか?
これについては、楽天投信投資顧問株式会社が1989/9/1~2019/8/31の期間で計測した数値を出しています。
すでに書いた通り、債券のレバレッジが高いので振れ幅は株式投資とほぼ同じになっています。
一方で、最大下落率が大幅に抑えられ、年率リターンが倍近くになっています。
年率リターンは複利で利いてくるので、この差は無茶苦茶デカいです。
USA360の気になる手数料と信託報酬は?
購入手数料は大手ネット証券では無料。
運用管理費用(信託報酬)は10%の消費税込で0.4945%
信託財産留保額(解約手数料)はなし。
特に問題はありませんね。
USA360のコロナショック渦中のチャート
これは、ずばりチャートをご覧ください。
赤枠がコロナショックの影響なのですが、コロナショックの渦中にも関わらず、2019/4/24時点でほぼ回復しているのがわかりますね。
シンプルな設計で米国債券でショックを充分に和らげながら、株式市場の戻し分もきちんと反映しています。
今後、米国株式市場が再度下落する可能性は低くありませんが、短期間でここまで戻す力強さはかなり頼りになりますね。
米国株個別銘柄とのパフォーマンス比較
これについては以下の記事で分析しました。
▼【米国株式長期投資】当ブログは個別銘柄の長期投資から撤退し、レバレッジ型バランスファンドに移行します(2020年1月6日)
内容の要点は、以下の通りです。
注目していただきたいのは、画像左下の米国株個別銘柄のみで運用していた期間のパフォーマンスです。
運用期間は2018年7月1日から2019年2月13日まで。
年率換算15.71%ですね。
まず、一般的な認識として、この数値は安定株の長期投資としてはかなり良い水準です。
そして、重要な点として、2018年末から米中貿易戦争がはじまります。
したがって、これ以降はパフォーマンスが下がることが予測されます。
その予測を裏付けているのが左上の、2018年7月1日から2020年1月5日までの全体のパフォーマンスですね。
年率換算で14.37%に落ちました。
その不利な期間にもろにかかっているにも関わらず、グローバル3倍3分法ファンドのパフォーマンスは年率換算22.40%で、楽天・米国レバレッジバランス・ファンド(USA360)のパフォーマンスは年率32.14%です。
楽天・米国レバレッジバランス・ファンド(USA360)のパフォーマンスがグローバル3倍3分法ファンドのパフォーマンスより良いのは、投資対象が米国に限られている分、投資効率が良いと考えることができますが、サンプル期間が2ヵ月にも満たないため今後の検証が必要です。
また、レバレッジ型バランスファンドは、レバレッジをかけている先物部分のボラティリティが高くなった場合、現物の値動きとの乖離が大きくなります。
楽天・米国レバレッジバランス・ファンド(USA360)とグローバル3倍3分法ファンドではこの部分の設計思想が異なるのですが、この部分の実績がこの時点のデータには無かったため、この2つのファンドの優劣の評価は敢えてしておりません。
しかし、幸運にもコロナショックでそのデータが取れました。
それについては、次の項目で検討します。
下落/暴落時を含むNYダウ、グローバル3倍3分法ファンドとのパフォーマンス比較
当ブログの運用実績から、2019/11/24を起点としたパフォーマンスを算出しました。
その結果は以下の通りです。
まず、注目していただきたいのは、コロナショックの影響があまり出ていない2020年2月23日までのパフォーマンスは、グローバル3倍3分法ファンドよりUSA360(楽天・米国レバレッジバランス)の方が明らかに優れています。
それ以降のコロナショック後は、グローバル3倍3分法ファンドよりUSA360(楽天・米国レバレッジバランス)の方がより明確に優れています。
少なくとも、サンプル期間のパフォーマンスを見ると、グローバル3倍3分法ファンドよりUSA360(楽天・米国レバレッジバランス)の方がどこから見ても優れています。
一方、NYダウとの比較においては、2019年12月29日においてUSA360(楽天・米国レバレッジバランス)のパフォーマンスが低いように見えますが、これは11月27日に5万円、12月24日に20万円の追加投資をしているからです。
12月29日の直前の20万円分の追加投資が無かったものとして補正計算を行うと増減率は3.04%となり、NYダウよりUSA360(楽天・米国レバレッジバランス)のパフォーマンスの方が高くなります。
蛇足ですが、2020年1月26日の前にも70万円+10万円=80万円の追加投資をしていますが、最初の70万円の追加投資が早めだったので、パフォーマンスの順位への影響は見られません。
2020年1月26日以降については、評価直後に10万円ずつ追加投資しているので投資信託の実際のパフォーマンスとの乖離は小さいと考えています。
話を元に戻しましょう。
その後の、2020年4月26日のNYダウの急上昇にUSA360(楽天・米国レバレッジバランス)がNYダウのパフォーマンスに劣るのは、債券市場から株式市場への資金移動が発生したことにより債券投資部分のマイナス効果が出たためと考えられます。
これは、グローバル3倍3分法ファンドでも同様の現象であり、株式市場急騰時の一時的なパフォーマンスの逆転は、その設計上レバレッジ型バランスファンドの宿命であると言えるでしょう。
ほぼ同じ設計思想のファンドで特に下落/暴落時にこれだけの違いが出るのは、楽天・米国レバレッジバランス・ファンド(USA360)のシンプルさによるところが大きいと考えています。
グローバル3倍3分法ファンドでは、株式、REITに100%、債券に200%を投資する構造になっていて、20%にあたる日本株式と債券を先物取引により11倍のレバレッジをかけて運用する仕組みになっています。
日本株式と債券それぞれのレバレッジをどの程度にしているかは開示されていないので不明ですが、おそらくボラティリティ(変動幅)が高い株式のレバレッジを低くするため、債券には11倍のさらに何倍ものレバレッジがかかっていて、下落/暴落時にはボラティリティの高くなった日本株式のレバレッジを低くせざるを得ないため、債券にはより高いレバレッジがかかる可能性があります。
先物は持ち続けることができないので一定の間隔で売買を続けるため、ボラティリティ(変動幅)が高くなると、現物の値動きとの乖離が大きくなるからです。
したがって、レバレッジが高くなった状態で債券が大きな値動きを示したら、現物の値動きとの乖離が大きくなる可能性が高いでしょう。
一方、楽天・米国レバレッジバランス・ファンド(USA360)では、既に書いた通り米国株式(VTI)の現物に90%、米国債券の先物に270%の投資をします。
この場合、米国債券先物のレバレッジは27倍固定。
債券のボラティリティ(変動幅)が高くなれば、現物の値動きとの乖離は発生するでしょうが、株式のボラティリティ(変動幅)の変化がレバレッジに影響を与えるこは無いため、運用はシンプルです。
そのため、グローバル3倍3分法ファンドに比べて、楽天・米国レバレッジバランス・ファンド(USA360)では桁違いに堅牢な動きを見せたものと考えられます。
地域分散についての考察
地域分散については、個別銘柄投資においてリスク分散のために多国籍企業のみを対象として分析をした経験上、多くの多国籍企業が数十カ国から100~200カ国でビジネスを展開していることがわかっています。
米国株式市場の時価総額の大部分はこれらの多国籍企業であることから米国株式市場全体に投資すれば、結果的に地域分散もなされると判断します。
世界経済の米国経済への依存度の高さも、理由の一つです。
また、以下の記事で以前解説しましたが、株式市場における米国市場の割合は、2018年12月の時点でで40.9%です。
▼なぜ、米国株が長期投資におすすめなのか?
この記事に載せたグラフをもう一度示しておきますね。
これだけの市場規模なので、米国株式市場がコケるようなら、他の地域の市場も無事ではないでしょう。
長期的な展望-50年先はどうなるか?
とは言え、これらは今、または過去の話です。
予測が不可能なのは承知の上で、長期投資家は50年先を見据えないとなりません。
50年先を見通す意識を持たないと、10年先も見誤る可能性が高いからです。
政治的な要素を抜きで考えると、米国株式市場にはメリットが二つあります。
- 成熟市場である
- 生き残る可能性が高い(消費者独占力を持つ)企業が多い
長期投資にとって、大きなトラップの一つは成長の罠です。
成長企業や成長セクターは長い目で見ると大きな利益をもたらさない。
これはシーゲル教授の研究で明らかです。
詳細は以下の記事をご覧ください。
▼投資すべき銘柄の条件とは? シーゲルの「株式投資の未来」
簡単に言うと、成長市場や成長企業は期待により価格が乱高下するからです。
【注目された時点で】適切な価格で取引されることは【ありえない】と考えた方が良いでしょう。
人間の群衆心理とはそういうものです。
したがって、すでに成熟して評価が定まった米国株式市場全体は、定期的に購入してバイ・アンド・ホールドするスタイルの長期投資先としては適切でしょう。
また、上の記事にも書きましたが、利益は月並みでもとにかく生き残る企業が長期的な利益を生み出します。
そう言う意味でも、米国株式市場に上場している企業は強い。
また、50年後も存続する企業を想像すると、その多くは米国株式市場に上場している企業ではないでしょうか。
さらに、政治的な要素を考えると、米国は国家的なライフサイクルとしては衰退期に入っています。
ただし、一気に衰退するわけではなく、一極集中支配の力が弱くなる程度でしょう。
中国との覇権戦争には勝つことが見込まれ、【それなりの】正義はある国なので経済の中心として存続はするでしょう。
中国は経済成長を加速させるために無理な経済政策を続けたため、却って衰退を早めてしまいました。
今までは、お金持ちの人権弾圧国家だったのが、貧乏な人権弾圧国家になるので国際的な非難は免れない事態になるでしょう。
つまり、中国が米国にとって代わる事は考えにくい。
すると、現在予測できる範囲では、米国経済の永続性を否定する要素はありません。
したがって、現時点では米国経済の永続性を前提に投資を行い、米国経済の永続性を否定する要素が発生した時点で再検討すると言う方針がもっとも理にかなっています。
投資は自己責任。
リスク管理を徹底して楽しみましょう。
コメント
個人的に ハイテク40%(TELC GAFAM+指数 QQQ)
これは5G→IOT→AIの流れの現在5Gの入口なので投資しない手はありません
成長はむしろこれからだと思います
ハイテクの反対側銘柄の多い VIGで10%
コモディティ の金とニューモントで10%
中間のUSA360を40%のポートフォリオを組んで 来年の4月まで毎週ドルコストで月額120万づつ積み立てしてる計画です(コロナショックでメンタルがやられる経験上)
この先も中米戦争 大統領選挙 コロナ禍 大暴落の要素は多いので気にならないレベルでの分散投資にしています 個別も少しやっています
700万投資で180万ぐらいの利益の状態です
コメントありがとうございます。
現在、体調が良くないので、抜粋してコメ返しします。
以下の記事にも書きましたが、QQQはリスク許容度が許せばパフォーマンスは高いと考えています。
日本では、NASDAQと言うとJASDAQくらいに思っている方も多いですが、時価総額の規模は東証の2倍近い大きな市場ですしね。
▼バフェットおすすめの【VOO】(S&P500連動ETF)を徹底検証ーVTI、QQQ、IVV、SPY、eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)、USA360などとも比較
https://kantan-beikokukabu.com/voo-322
ハイテク系のポイントは中国依存からの離脱が上手く行くかどうかだと思っています。
コロナ下では好条件でしょうね。
政治的な理由で、個人的には5Gの影響が出る銘柄は避けられるものなら避けたいです。
金は今後も上がると思うので、私も体調が良ければ投資と言うかトレードに手を出したいです。
米中戦争は中国に勝てる要素が無い(と言うより習近平が、周囲を軒並み敵にまわしてわずかな勝てる要素までつぶした)のと、仮に中国が勝てるシナリオを描いた場合、資産凍結されるので、中国、香港関連だけはNGだと思いますが、そのあたりは手を出していらっしゃらないようなので安心しました。
仮に、家族ぐるみで親中のバイデンが大統領選に勝ったとしても(おそらく、それは無いと予測してますが…)議会が反中なので、下院の3分の2が賛成すれば、大統領の意向に関係なく反中法案を通すことが可能ですし。
USA360は米国市場の現物株式とレバレッジをかけた債券先物の2階建てなので、資金効率が良く、株価が本当にやばい程下落すればFRBが動くので安全でもあります。
株式と債券の動きは常に逆相関と言うわけではありませんが、米国の金融政策上、株価の大規模な下落時には金融緩和をせざるを得ないと言う部分が大きいです。
ショックアブソーバーは、暴落時のみに働いてくれれば問題ありませんので。
米国だけでなく世界で考えると、必ずしもこの動きは成り立ちません。
文面から、知識も豊富だとお見受けするので、ここに書いたようなことはご承知かもしれませんが、お礼を兼ねてお返事をさせて頂きました。