2019年7月15日現在、日本で米国株を扱う主要ネット証券は5社あります。
このうち、長期投資におすすめの証券会社はSBI証券。
その次におすすめなのが楽天証券です。
それでは、その理由を説明しましょう。
海外の証券会社のネックは税金の手続
日本人向けにサービスを提供している海外のネット証券にはインタラクティブ・ブローカーズ証券とサクソバンク証券があります。
インタラクティブ・ブローカーズ証券
日本人向けと言うより、世界各国向けの一部として日本人向けにもサービスを提供していると言うイメージです。
それほど、日本人に特化したサービスにしているわけじゃなく、日本法人が米国口座開設の取次をしているだけです。
従って、米国口座を開設することになり、利益が確定すれば確定申告を自分でする必要があります。
しかも、25歳以上で口座に最低10,000ドル、25歳未満なら3,000ドルを置いておく必要があり、日本には無い口座維持のための管理費や売買手数料の体系も結構複雑です。
ただし、売買手数料は安く、本場米国の証券会社なので、膨大な取扱銘柄と様々な取引方法が大きな魅力です。
ただ、バイ・アンド・ホールドの長期投資に特化した場合、これらのメリットはあまり意味がなく、複雑な料金体系と税金の計算、確定申告の手間などを考えると、特に初心者にはおすすめできません。
サクソバンク証券
もともとは、日本でFXやCFD(差金決済)のサービスを提供していたデンマークの金融機関が2018年9月から米国株の取引サービスを開始しました。
特筆すべきは、国内口座として口座を開設できるところで、米国株の取扱い銘柄数も国内証券会社に比べて圧倒的に多いです。
ただし、特定口座を選択できないので、利益があれば確定申告が必要になります。
手数料は約定金額の0.2%と国内証券会社の半額以下ですが、最低手数料が5ドルなので0.2%の安さを享受するためには一回の取引額が2,500ドル以上である必要があります。
あと、保有する株式数に比例した口座の年間管理手数料を取られます。
これも長期投資で使うにはデメリットの方が多いので、あまりおすすめできません。
特定口座と一般口座についての基礎知識
国内の証券会社で長期投資をする際には、絶対に特定口座を指定してください。
特定口座であれば原則として証券会社が利益の計算をして自動的に税金分を引いてくれるので確定申告の必要はありません。
ただし、配当金に関しては米国と日本で二重課税をしているので、確定申告をすれば配当として受けとった金額の約10%は戻ってきます。
ただ、これは義務ではありません。
手間に見合った金額なら確定申告をすれば良いということです。
ところで、もし特定口座ではなく一般口座だった場合、どうなると思いますか?
すべての取引の約定金額と手数料及びそれを証明するものを、その銘柄をすべて売るまで保存し、売却時に平均単価を求めて損益計算をし、次回の売却時の計算用に残存価額を記録し、確定申告をする義務が生じます。
一般口座の場合、証券会社も一定期間より前の取引記録は破棄するので、20年前の取引記録などは請求しても得られないことがあるので保存は必須です。
ちなみに、購入金額の証明が出来ないと売却金額全体が利益とみなされてしまいます。
なので、一般口座は税理士を雇ったプロ用だと思って下さい。
素人の場合、特定口座の指定が絶対の基本です。
米国株を扱う国内の主要ネット証券3社の比較
米国株を扱う国内の主要ネット証券は、以下の3社です。
- SBI証券
- マネックス証券
- 楽天証券
手数料は原則として横並びで、約定代金の0.45%です。
また、最低手数料は2019年7月22日以降は0円となりました。
つまり、最低手数料は廃止されたということです。
これにより、安い購入価格でも割高な売買手数料を取られる心配がなくなり、こまめに買い足したり、分散したりすることが可能となりました。
これは、サクソバンク証券の黒船効果と思われますが、我々にとってはグッドニュースです。
それでは、個々の証券会社について説明して行きましょう。
SBI証券
国内のネット証券の草分け。
老舗中の老舗で、国内最大手です。
画面の操作も分かり易く、初心者向けの解説も充実。
ユーザーが多いので、わからない事があった時に調べるのも容易です。
長期投資に必要な定番銘柄は充実しており、長期投資にもっともおすすめの証券会社です。
僕自身も別の社名だった昔からSBI証券を使っています。
マネックス証券
米国株銘柄数は国内トップで注文方法や注文画面の機能も充実しています。
逆指値やトレールストップなど短期/中期トレードに必要な機能が満載です。
しかしながら、高機能が故に、特に初心者にとっては直感的にわかりにくい操作性です。
僕は短期/中期トレードではこの口座を使いますが、長期投資には使いません。
バイ・アンド・ホールド中心の長期投資には向かないインタフェースだと思います。
なので、長期投資向けにはおすすめしません。
楽天証券
ポイント還元などと連動しており、操作性もマネックス証券のように難しくはありません。
SBI証券と似た操作性と言って良いでしょう。
こちらも初心者にとってやさしそうです。
僕自身は使ったことはありませんが、調べた限りでは悪くはなそうですね。
なんらかの理由でSBI証券を使いたくない方や、ポイント還元を利用したい方には悪くないと思います。
投資は自己責任。
リスク管理を徹底して楽しみましょう。