【KO】コカコーラは世界のブランド化に成功した原液だけを売る超低コストビジネスモデルだ【たぬき先生のバフェット流銘柄分析】

当記事では、僕のおすすめ銘柄を紹介します。

今回の対象銘柄はコカコーラ。

銘柄分析にあたっては、バフェット流銘柄選択をベースに、日本人サラリーマン向けに修正した手法で分析します。。

具体的な分析方法については、以下の記事をご覧ください。

▼バフェットの銘柄選び実践のポイントを日本のサラリーマン視点で徹底解説

ウォーレン・バフェットの銘柄選びについてはさまざまな情報が書籍やネット上にありますが、あなたは自信を持って実践できていますか? ...

まずは、オープニングトークからはじめます。

オープニングトーク

たぬき先生
たぬき先生
うさぴょんは、コカコーラって何を売っているのか知ってるかい?
うさぴょん
うさぴょん
そりゃ、コカコーラに決まってるんだぴょん。
たぬき先生
たぬき先生
ハズレだね。
「ノン・アルコール飲料用濃縮液とシロップの製造と販売に従事する」
これは、コカコーラの企業情報からの抜粋だ。
飲み物を容器に入れて売っているのは、コカコーラ社からライセンス供与された各国のボトラーズ社だ。
うさぴょん
うさぴょん
えっ?
じゃあ、コカコーラ社は原液だけを売っているのかぴょん?
たぬき先生
たぬき先生
そうだよ。
より正確には、原液とブランドを売っているんだ。
以前は、米国国内に限っては、コカコーラ社がボトリング業務もやっていたんだけど、今では完全に分離しているね。
つまり、原液を売るだけの低コストビジネスなんだ。
これにブランド戦略が組み合わさってコカコーラは最強企業になったんだよ。



企業概要

コカコーラの企業情報をヤフーファイナンスから引用しましょう。

コカ・コーラはノン・アルコール飲料の世界最大メーカー。
ノン・アルコール飲料用濃縮液とシロップの製造と販売に従事する。
同社ブランドは500種以上の炭酸飲料、ダイエット炭酸飲料、果汁飲料、紅茶、コーヒー、水、スポーツ飲料、エネルギー飲料と多岐にわたる。
主要品名は「コカ・コーラ」、「ダイエット・コーク」、「パワーエイド」、「ダサニ」、「ミニッツ・メイド」など。

ここから読み取れることは、3つあります。

  1. 事業内容は、濃縮液とシロップの製造と販売と言う低コストビジネス
  2. 各種飲料の世界的なブランド戦略で成功している
  3. 小売店はコカコーラ社とだけ契約すれば、顧客の求める飲料を網羅できる

企業概要だけでもこれだけの事が読み取れるコカコーラ社は、最強企業と言わざるを得ません。


ビジネスモデル

ビジネスモデルを永続的競争優位性と低コスト構造の2点から分析します。

永続的競争優位性

コカコーラを代表とする世界一のノンアルコール飲料ブランド。

コカコーラ、ファンタ、スプライト、ジョージア、ミニッツメイド、グラソービタミンウォーター他。

世界で販売しているノンアルコール飲料ブランドの総数は500以上。

個々のブランド内で細分化された商品数で数えると3,500以上となります。

また、各国の現地ボトラーズ各社が、コカコーラブランドを中心に各国固有のブランドを作っています。

既に、ブランド化されたコカコーラ社のブランドと抱き合わせで販売するので、現地ボトラーズ社が新しいブランドを展開するのは比較的容易です。

例えば、コカコーラボトラーズジャパンでは、紅茶花伝、綾鷹(あやたか)、いろはす、ヨーグルスタンド、アクエリアス、リアルゴールド、爽健美茶、カナダドライなどを独自に展開しています。

これらを源泉として、コカコーラ社は永続的競争優位性を持つと判断します。

低コスト構造

これは、原液を販売するモデルなので、文句なく低コストモデルです。

その証拠に、2018年12月31日づけ決算の粗利益は63.05%です。


財務分析

財務分析では、ビジネス分析が財務に反映されている裏付けをするために分析します。

したがって、基準値を下回る場合もまれにありますが、継続性が見られない場合や、業態による特性等に起因する場合は、許容する場合があります。

主な項目としては、粗利益率、研究開発費、純利益率、長期借入金などを見ます。

営業キャッシュフローを見る方も多く、僕自身も参考値としては常に見ていますが、多くの場合純利益の方がシビアにチェックできます。

以下、2018年12月31日づけの決算にもとづいて記述します。

粗利益率(基準値:40%以上)

63.05%

問題ありません。

研究開発費(なし。又は利益を圧迫しない)

なし。

問題ありません。

純利益率(基準値:12%以上)

20.20%

問題ありません。

長期借入金/純利益倍率(基準値:5倍以下)

3.95倍

問題ありません。


経年分析

経年分析は、ビジネスモデルが有効に機能している事をチェックするために実施します。

しかしながら、現実の経済や経営は教科書とは違うので、教科書通りに成長しているってことはあまりありません。

なので、この分析では大局を見る姿勢が必要になります。

EPSが継続的に成長していること

コカコーラのEPSの推移を以下に示します。

▼コカコーラのEPS推移

  • 2008年12月末 $1.25
  • 2009年12月末 $1.47
  • 2010年12月末 $2.53
  • 2011年12月末 $1.85
  • 2012年12月末 $1.97
  • 2013年12月末 $1.90
  • 2014年12月末 $1.60
  • 2015年12月末 $1.67
  • 2016年12月末 $1.49
  • 2017年12月末 $0.29
  • 2018年12月末 $1.50

ここで、2011年に何が起きたかは正確にトレースできていません。

2013年から2016年までは大規模な事業再編を実施していました。

また、2017年はトランプの税制改革で米国外に置いたままの資産について、一気に税金がかかったため純利益が激減する事態になりました。

そのうち課税されることがわかっているので、会計上は引当金を準備しているはずなので実際の経営には問題ありません。

ROEの10年間の平均値が12%以上であること

2009年から2018年までの平均値は26.25%です。

問題ありません。


日本人投資家が米国株に長期投資するための条件

日本人が、米国株に投資する時のウィークポイントは、米国現地の状況を肌で感じる事ができないことです。
そのため、日本人投資家が米国株に長期投資するための条件を2つ作りました。

1つ目の条件が、日本にも進出していてブランド力が実感できることです。

それも、専門家ではなく、一般のサラリーマンが実感できること。

2つ目の条件は、その企業の対象市場が多国籍に分散している事です。

米国国内市場だけを対象にしている企業であれば、米国国内の売れ行きを肌で感じられない日本人は確実に出遅れてしまうからです。

日本でブランド力の盛衰が実感できるか?

日本国内で、コカコーラブランドの商品は大量に販売されています。

問題ありません。

市場が多国籍に分散しているか?

世界200ヶ国以上に市場を展開しています。

問題ありません。


エンディングトーク

うさぴょん
うさぴょん
ところで、ペプシはコカコーラのライバルじゃないのかぴょん?
たぬき先生
たぬき先生
ペプシは飲料ではなく、飲料とスナックのミックス戦略で戦っている。
飲料単体ではコカコーラに勝てないからね。
まったく別のビジネスだと考えた方が良い。
うさぴょん
うさぴょん
じゃあ、ペプシはライバルじゃないのだぴょん。
たぬき先生
たぬき先生
いや、競り合っている部分はある。
ファストフード業界をチェックすると面白いぞ。
日本国内で言うと、ディズニーランドではコカコーラブランドの清涼飲料水を主に売っている。
マクドナルドもコカコーラブランドだね。
一方、ロッテリアはペプシ陣営なんだけど、正確に言うとペプシ+サントリーだ。
国内の場合、ペプシはサントリーとタッグを組んでいるんだよ。
単体だと勝てないからね。
ペプシコーラを売っているファストフード店には、サントリーのウーロン茶やなっちゃんオレンジが置いてあるんだよね。
逆に黒烏龍茶(サントリー)が置いてあるところのコーラはだいたいペプシだと思って良い。
うさぴょん
うさぴょん
へー、面白いんだぴょん。
今度、チェックしてみるぴょん。

投資は自己責任。

リスク管理を徹底して楽しみましょう。