
今回のおすすめ本は、ジェレミー・シーゲル教授の「株式投資」。
長期投資で経済成長以上のリターンを得られるということは、前回の記事に書きました。
▼長期投資家におすすめ! 「21世紀の資本」に書いてあること
では、投資の中でいちばん最強な投資対象は何でしょう?
色々な意見があるとは思います。
ですが、シーゲル教授の研究結果によるとその答えは「株式」なのです。
それでは、具体的に見てみましょう。
株式が最強って本当なの?
もちろん、本当です。
シーゲル教授の研究結果の一つを見てみましょう。

株式と債券、金、預金の実質トータルリターンを1801年から2001年まで計算してグラフ化してありますね。
この200年でもっとも伸びたのが株式。
他の資産とは比べ物になりません。
「でも、長期債券は良い線行ってない?」
いえいえ、まったく比較になりません。
左の目盛りを良く見てください。
1、2、3…ではなく1、10、100…となっていますよね。
つまり対数グラフだということです。
グラフでは長期債券は株式の半分くらいのリターンに見えますが、実際のトータルリターンは以下の通りです。
株式→75万5,163ドル
長期債券→1083ドル
つまり、株式のトータルリターンは長期債券の約697倍のリターンとなります。
つまり、株式に比べると債券も金も預金も、ある意味すべてクズだと言うことです。
では、株式はなぜこんなに最強なのでしょうか?
株式最強のからくり=リスクプレミアム
債券はそもそも貸付契約なので、契約が履行された時に返ってくる額が決まっています。
一方、株式は返済の必要のない資本投資契約です。
企業が解散や倒産をした時でなければ、株式の発行者がお金を返すなんてことはありません。
つまり、株式の方がリスクが高い。
よって、そのリスクの分だけトータルリターンが高くなる。
このリスクの積み上げ分がリスクプレミアムです。
これについても資料があります。

多くの場合、株式の長期債に対するリスクプレミアムは概ね3%を越えています。
この3%の積み上げを複利で運用すると、長期になればなるほど大きな違いをもたらすわけですね。
株式の20年以上の長期投資リスクがゼロである根拠
その根拠が以下の図です。

このグラフでは株式、長期債、短期債の利回りを比べています。
どのアセットクラスでも、保有期間が長期になればなるほどぼろ儲けの可能性も損失リスクも減少していくことがわかると思います。
それだけではなく、保有期間を20年以上にすると株式の保有リスクがゼロになってしまうのです。
これは、凄いことじゃないでしょうか?
長期投資をする前提であれば、株式市場は意外にリスクが小さいのです。
投資は自己責任。
リスク管理を徹底して楽しみましょう。