【投資信託&米国株式】グローバル3倍3分法からUSA360(楽天・米国レバレッジバランス)に資金を移動して一本化します(2020年5月4日)【2020/5/6最終更新】

2020年5月6日に追加分析を加えた画像に差し替え、「パフォーマンスの違いを検証してみる」に追加分析を大幅追記しました。

トップ画像にも示した通り、2019年11月24日を起点としたパフォーマンスが、明らかにUSA360(楽天・米国レバレッジバランス)の方が高いことが確認されたため、グローバル3倍3分法を売却し、USA360(楽天・米国レバレッジバランス)に資金を移動することにしました。

うすうす感じてはいましたが、半年ほど様子を見て、後発のUSA360(楽天・米国レバレッジバランス)の方がシンプルかつパフォーマンスが高いことが実績として出ました。

念のため書いておきますが2019年11月24日を起点とするとグローバル3倍3分法は赤字に見えますが、グローバル3倍3分法ファンド投資期間全体のトータルリターンは黒字です。

しかしながら、数字が明確に出ている以上、非効率な投資を続けるわけには行きません。

今後、グローバル3倍3分法ファンドからUSA360(楽天・米国レバレッジバランス)に資金を移動します。

問題は、このパフォーマンスの差がこの期間だけなのか、恒久的なものなのかの判断です。

なお、これらの投資信託については、以下の記事で詳しく解説しましたので良かったらご覧ください。

▼グローバル3倍3分法ファンドの仕組み、評判、落とし穴を徹底評価【おすすめ投信】

レバレッジ型バランスファンドの元祖であるグローバル3倍3分法ファンドですが、結論から言うと楽天・米国レバレッジバランス・...

▼【USA360】楽天・米国レバレッジバランスの評価、シミュレーション、チャートを徹底解説【おすすめ投信】

順を追って、検証していきましょう。

パフォーマンスの違いを検証してみる

もう一度トップ画像と同じものを示しましょう。

資金管理の記録は、原則としてその週のマーケットクローズ後の休日に取っているので、上表の日付も原則として休日になります。

まず、注目していただきたいのは、コロナショックの影響があまり出ていない2020年2月23日までのパフォーマンスは、グローバル3倍3分法ファンドよりUSA360(楽天・米国レバレッジバランス)の方が明らかに優れています。

それ以降のコロナショック後は、グローバル3倍3分法ファンドよりUSA360(楽天・米国レバレッジバランス)の方がより明確に優れています。

少なくとも、サンプル期間のパフォーマンスを見ると、グローバル3倍3分法ファンドよりUSA360(楽天・米国レバレッジバランス)の方がどこから見ても優れています。

一方、NYダウとの比較においては、2019年12月29日においてUSA360(楽天・米国レバレッジバランス)のパフォーマンスが低いように見えますが、これは11月27日に5万円、12月24日に20万円の追加投資をしているからです。

12月29日の直前の20万円分の追加投資が無かったものとして補正計算を行うと増減率は3.04%となり、NYダウよりUSA360(楽天・米国レバレッジバランス)のパフォーマンスの方が高くなります

また、2020年4月26日のNYダウの急上昇にUSA360(楽天・米国レバレッジバランス)がNYダウのパフォーマンスに劣るのは、債券市場から株式市場への資金移動が発生したことにより債券投資部分のマイナス効果が出たためと考えられます。

これは、グローバル3倍3分法ファンドでも同様の現象であり、株式市場急騰時の一時的なパフォーマンスの逆転は、その設計上レバレッジ型バランスファンドの宿命であると言えるでしょう。

次に、限定された期間のパフォーマンスから離れて、設計や投資環境から長期的な展望を考察しましょう。


債券先物についての考察

この二つの投資信託でもっとも違いが表れる部分の一つが債券先物の扱い方だと思います。

両者とも債券については、先物を利用してレバレッジをかけています。

債券について検討すべきことは3点。

  • 平時の国債利回り
  • 市場暴落時の利下げ政策
  • 先物運用実績の現物との乖離

まず、平時の国債利回りに関しては、日本やEUは財政均衡政策により低迷しています。

したがって、平時の国債利回りをもっとも期待しやすいのは米国です。

米国の性質として、経済が低迷したら選挙に勝てないので、下手な緊縮財政を打つ可能性は極めて低い

仮にそんなことをすれば、国民と経済的に依存している他国からかなりのブーイングが発生するでしょう。

また、市場暴落時の利回りですが、米国のFRBの使命の一つが雇用を安定させるためなので、極めて速やかに利下げをします。

利下げ=国際価格の上昇なので株式市場低迷の大きなクッションとなります。

一方で、EU、日本などは元々金利が低いため、その効果は小さいと言わざるを得ません。

さらに、先物運用の際の現物との乖離です。

先物は持ち続けることが出来ないため、一定期間ごとに買い換えます。

そのため、ボラティリティが大きい(変動が激しい)ほど現物の値動きとの乖離が大きくなります。

グローバル3倍3分法ファンドの場合は、日本株式と債券を合わせて先物で11倍のレバレッジをかけています。

ただし、株式は値動きが激しいので、あまりレバレッジをかけたくない。

なので、債券だけだと11倍の何倍かのレバレッジをかけていると推測できます。

特に、株式の値動きが激しい場合はそうなるでしょう。

この辺りの情報は開示されていないため、実際のところは不明なので推測になります。

ただ、株式、REITへ100%、債券に200%と言うファンド設計上、値動きが激しい場合は運用が困難な仕組みになっていることはわかります。

一方、USA360(楽天・米国レバレッジバランス)の場合は、先物で27倍のレバレッジをかけていますが、シンプルな設計のためどんな時でもこのレバレッジは固定です。

これは、株式(実際にはVTI)への投資比率を100%ではなく、割り切って90%にしたことにより単純な設計としたためです。

この設計の違いの為、先物運用と現物の値動きの乖離幅は、USA360(楽天・米国レバレッジバランス)の方が安定すると推測できます。


地域分散についての考察

地域分散については、個別銘柄投資においてリスク分散のために多国籍企業のみを対象として分析をした経験上、多くの多国籍企業が数十カ国から100~200カ国でビジネスを展開していることがわかっています。

米国株式市場の時価総額の大部分はこれらの多国籍企業であることから米国株式市場全体に投資すれば、結果的に地域分散もなされると判断します。

世界経済の米国経済への依存度の高さも、理由の一つです。

また、以下の記事で以前解説しましたが、株式市場における米国市場の割合は、2018年12月時点で40.9%です。

▼なぜ、米国株が長期投資におすすめなのか?

長期投資で中心とすべきものを挙げるとすれば、一番のおすすめは間違いなく米国株です。 それは、以下の三段論法から導かれま...

この記事に載せたグラフをもう一度示しておきますね。

これだけの市場規模なので、米国株式市場がコケるようなら、他の市場も無事ではないでしょう。


長期的な展望-50年先はどうなるか?

とは言え、これらは今、または過去の話です。

予測が不可能なのは承知の上で、長期投資家は50年先を見据えないとなりません。

50年先を見通す意識を持たないと、10年先も見誤る可能性が高いからです。

政治的な要素を抜きで考えると、米国株式市場にはメリットが二つあります。

  • 成熟市場である
  • 生き残る可能性が高い(消費者独占力を持つ)企業が多い

長期投資にとって、大きなトラップの一つは成長の罠です。

成長企業や成長セクターは長い目で見ると大きな利益をもたらさない。

これはシーゲル教授の研究で明らかです。

詳細は以下の記事をご覧ください。

▼投資すべき銘柄の条件とは? シーゲルの「株式投資の未来」

今回のおすすめ本は、ジェレミー・シーゲル教授の「株式投資の未来」です。 シーゲル教授は、前著の「株式投資」の中で株式へ...

簡単に言うと、成長市場や成長企業は期待により価格が乱高下するからです。

【注目された時点で】、適切な価格で取引されることは【ありえない】と考えた方が良いでしょう。

人間の群衆心理とはそういうものです。

したがって、すでに成熟して評価が定まった米国株式市場全体は、定期的に購入してバイ・アンド・ホールドするスタイルの長期投資先としては適切でしょう。

また、上の記事にも書きましたが、利益は月並みでもとにかく生き残る企業が長期的な利益を生み出します

そう言う意味でも、米国株式市場に上場している企業は強い。

また、50年後も存続する企業を想像すると、その多くは米国株式市場に上場している企業ではないでしょうか

さらに、政治的な要素を考えると、米国は国家的なライフサイクルとしては衰退期に入っています。

ただし、一気に衰退するわけではなく、一極集中支配の力が弱くなる程度でしょう。

中国との覇権戦争には勝つことが見込まれ、【それなりの】正義はある国なので経済の中心として存続はするでしょう。

中国は経済成長を加速させるために無理な経済政策を続けたため、却って衰退を早めてしまいました。

今までは、お金持ちの人権弾圧国家だったのが、貧乏な人権弾圧国家になるので国際的な非難は免れない事態になるでしょう。

つまり、中国が米国にとって代わる事は考えにくい

すると、現在予測できる範囲では、米国経済の永続性を否定する要素はありません

したがって、現時点では米国経済の永続性を前提に投資を行い、米国経済の永続性を否定する要素が発生した時点で再検討すると言う方針がもっとも理にかなっています。

投資は自己責任。

リスク管理を徹底して楽しみましょう。



コメント

  1. ドラオ より:

    私もUSA360をメインポートフォリオにしています 実際1年に満たない商品ですが
    コロナショックで実力が証明されました eマスシス 8資産とか他のレバレッジファンドは投資に値しませんね 指数を下回っていたら話になりません
    ボラの高い現在も安心して積み立てれれます パフォーマンスはナスダック並みですよね
    この先はわかりませんが 現在なら最も優れている商品だと思います

    • haraguchi-n より:

      コメントありがとうございます。

      私自身、元々は個別銘柄で市場に勝つパフォーマンスを上げた上で、USA360に行きついています。
      今後、さらなる改善をする上で、USA360がポートフォリオから外れる可能性はゼロではありませんが、今のところ将来的にも優良なパフォーマンスを上げると分析しています。

      このあたりの分析については、ご興味場あれば以下の記事をご覧いただければ嬉しいです。
      ▼【USA360】楽天・米国レバレッジバランスの評価、シミュレーション、チャート、下落/暴落時を含むNYダウやグローバル3倍3分法ファンドとのパフォーマンス比較を徹底解説
      https://kantan-beikokukabu.com/usa360-663

      また、上記記事内でも紹介しておりますが、レバレッジ型バランスファンドを評価するうえで役立つ仕組みや本質の解説などを以下の記事で行っております。
      私がレバレッジ型バランスファンドを分析する時の考え方のベースはここから来ております。
      ご興味あればご覧くだされば幸いです。
      ▼レバレッジ型バランスファンドを比較するために理解すべき3つの視点、仕組みと本質を徹底解説
      https://kantan-beikokukabu.com/risk-parity-1002

      色々書きましたが、当記事に興味を持った上、コメントまで残して頂き、ありがとうございました。