初心者でもわかる失敗しない投資/トレードのためのたった3つの原則【エントリーとエグジットの原則】【2020/7/8最終更新】

僕が良くTwitterなどでつぶやく投資/トレードので失敗しない3つの重要な原則をまとめました。

その原則は以下の通りです。

  1. エントリー(仕掛け)とエグジット(手仕舞い)の根拠は【絶対に】対応させる
  2. エントリー(仕掛け)は分割する(例外あり)
  3. エグジット(手仕舞い)は一括で行う(例外あり)

エントリーとは仕掛けの事で、買い持ち戦略なら買うこと、空売り戦略なら空売りのことです。

エグジットは手仕舞いで、反対売買をすることにより、持株や空売りを解消することです。

それでは、順番に説明していきましょう。

失敗しない投資/トレードの原則【その1】エントリー(仕掛け)とエグジット(手仕舞い)の根拠は【絶対に】対応させる

第一の原則はエントリー(仕掛け)とエグジット(手仕舞い)の根拠を【絶対に】対応させることです。

投資/トレードの根拠には大きく分けて二つあります。

  1. ビジネスモデル自体の価値に投資し、長期的な収益源とする
  2. 価格の上昇(又は下落)の予測に基づき、売買価格の差で利益を得る

それぞれ、解説しましょう。

ビジネスモデル自体の価値に投資し、長期的な収益源とする

この場合はまず、ビジネスモデルの永続的競争優位性を分析します。

さらに、その分析に基づき、財務分析、経年分析も行います。

しかし、それらの分析は、永続的競争優位性を持つビジネスモデルが机上の空論ではなく、実際に効果を上げていることを確認するためのものです。

どんな時でも、ビジネスモデルの分析が主です。

財務分析と経年分析は、ビジネスモデル分析が正しく、かつ実際の効果を上げていることの確認と永続性のための体力を備えている事の確認になります。

ビジネスモデル分析、財務分析、経年分析を経た永続的競争優位性を持つ企業は、訴訟、損失、スキャンダルなどによる大打撃への耐性を持ちます。

逆に言うと、それらの大打撃への耐性を持つ企業を選定すると言うことです。

この場合、訴訟、損失、スキャンダルなどにより株価が暴落することは、永続的競争優位性には影響を与えません。

従って、価格の下落は売却要因にはなり得ません

つまり、損切と言う概念はありません

逆に、価格の下落時は買取コストが下がるため、買取要因となります。

一方、価格が下がらなくても、永続的競争優位性が失われた場合は、売却要因となります。

この場合、価格に反映されるまで数年から十年程度は余裕があることが多いので、利益を出して売ることが可能です。

注意しなければならないのは、バリュー株成長株はこの範疇には入らないことです。

どちらも、どこかのタイミングで利益確定することを前提としているからです。

したがって、多くの場合、永続的競争優位性までの分析は行いません。

価格の上昇(又は下落)の予測に基づき、売買価格の差で利益を得る

ここでは、以下の3つに分けて説明します。

  1. 通常の短期/中期トレード
  2. バリュー株トレード
  3. 成長株トレード

バリュー株や成長株は投資と表現されることが多いですが、これらの目的はビジネスの保有ではなく、値上がり時の利益確定なので、ここではトレードと表現します。

それでは、順番に説明していきましょう。

通常の短期/中期トレード

通常の短期/中期トレードの場合、エントリーは通常なんらかのテクニカル指標のサインに基づいて決定されます。

さらに、エントリー時の予測が正しかった場合、利益を出してエグジットする場合のテクニカル指標のサインは決まっている必要があります。

また、エントリー時の予測が間違っていた場合、それを判定し損失の上限を制限する仕組み=損切ラインを決定しておく必要があります。

また、損切ラインの設定は、トレード対象のボラティリティにより変動します。

つまり、ボラティリティが2倍であれば、損切ラインの幅も2倍になり、投入金額は半額になるのが定石です。

また、失敗した場合の損失を確実に損切ラインで限定するために、少なくともポジションを持っている間は常に流動性が保証される必要があります。

数ヶ月単位のトレードでのオーバーナイトとデイトレでのオーバーナイトは意味が違いますし、ボラティリティとレバレッジが高い状態でのオーバーイヤーなどもこの条件でアウトとなります。

トレードをやっている方は肌で感じているはずですが、短期~中期の個別株の値動きは企業価値とは連動しません

連動しないか、連動しても常に行き過ぎます

なので、「損切ラインに達したけど、良い企業だから持っていよう」等は多くの場合通用しませんし、通用したらそれは運です。

損切ラインは予測の逆方向への許容ボラティリティの範囲を逸脱した証拠なので、その時点で切らないと資金管理の前提が崩れます

バリュー株トレード

バリュー株にも色々な定義があるので、細かい部分は具体的に採用している方針で読み替えて頂きたいのですが、説明のためもっともオーソドックスと思われる手法をベースに説明します。

バリュー株においてはファンダメンタル(割安価格)でエントリーし、上がった場合は同様にファンダメンタル(適正価格)でエグジットします。

これは確率的に網を張るやり方なので、値上がりしない株が一定数あります。

割安であるということは、安いままのものもあるし、消える企業もあるということだからです。

この場合、失敗の判定の基準を設定するのがちょっと悩ましいのです。

テクニカル的な逆張りやトレンドフォローでは短期的に望むトレンドになるか続くかを予測しているので、この問題は発生しません。

先に書いた通り、損切ラインを設定可能です。

ただ、バリュー株の元祖であると言ってもいいグレアムはテクニカル分析によるボラティリティに基づく損切ラインの設定は否定しているので、失敗はファンダメンタルで判定すべきでしょう。

PERやPBRなどの指標を基準にする方法もあれば、四半期又は年度の財務分析をベースにする方法、他の方法で入手した情報をベースにする方法など、様々なバリエーションがあり得ると思います。

成長株トレード

成長株は、バリュー株の問題を解決した上で、利益率も上げるアプローチです。

ファンダメンタルでスクリーニングをすること多いですが、エントリーの契機はテクニカル指標で判断します。

当然ながら、エグジットも普通の短期から中期のトレードと同様にテクニカル指標で判断します。

これは、成長株の性質から考えて極めて重要なことです。

成長株の性質は、当たった場合、どこかのタイミングでグワッと上がって、ドスンと下がります。

その後、失墜するか永続企業になるか、どちらかの道を歩むことになるわけです。

このグワッ→ドスンの理由は、株価が企業価値と連動する場合、必ず行き過ぎるからです。

優良企業には、成長期に株価が一旦高くなり過ぎる時期が必ずあります。

この動きは、テクニカルで捉えていないと、良いタイミングでエントリーもエグジットもできません


失敗しない投資/トレードの原則【その2】エントリー(仕掛け)は分割する(例外あり)

投資にもトレードにも言える事ですが、原則としてエントリーは複数に分割するのが定石です。

買い(売り)上りでも買い(売り)下がりでも良いのですが、昔から海外でも日本でも、プロは伝統的にエントリー(日本語では建玉)を分割します。

一括でエントリーすると予測が外れた場合のコストが高くなるためです。

投資/トレードにおいて、当たった時の利益は市場の動きと手仕舞いタイミングの二つの要素で決まるので制御しにくいのですが、コストの最小化は分割投資することである程度制御できるからです。

安定的な収益を実現するためには、コストの制御が不可欠で、そのためのもっとも有益な手法がエントリーを分割することなのです。

トレードにおいては、一回目のエントリー後、予測通りの値動きが続けば二回目のエントリーをし、予測が外れたら損切をすることで失敗した場合のコストを減らすことができます。

また、バイ・アンド・ホールドを目的とする長期投資においては、まだ多少下がる段階で一回目のエントリーを行えば、その後下がるにしても上がるにしても、ギャンブルの要素を排除し、コストの均等化を実現することができます。

ただし、長期投資の場合、短期的な値動きが激しくない場合は、一括で買ってしまってもあまり問題はありません。


失敗しない投資/トレードの原則【その3】エグジット(手仕舞い)は一括で行う(例外あり)

一方、トレードにおいては、エグジットは一括で行うのが定石です。

その為のエグジットのタイミングを示す指標の設定なのですから。

ただ、特に成長株で採用される例外として、トレンドが反転する可能性が比較的小さいサインが出た時に一部の株を利益確定しておき、反転可能性が大きいサインが出た時に残りを利益確定すると言うやり方です。

これは、一部の利益確定をした後に、トレンドが伸び続ける事もあれば、トレンドが急反転する可能性もあるからです。

ただ、これをやるなら、事前にそういう方針でルールを作っておくことが重要です。

また、長期投資においては、永続的競争優位性に棄損が発生した場合、保有に見合う利益が出ているタイミングで一括エグジットが定石です。

当初の選定に問題が無く、大規模な下落市場でない限りは、永続的競争優位性に棄損が発生した時点で保有に見合う利益は出ているのが普通ですから、それほど難しいことではありません。

絶対にやってはいけないことは、価格の下落をエグジットの判断材料にすることです。

それをやってしまうと損失が増えるだけだというのは以下の記事で既に説明しました。

▼投資信託で大損しない方法 運用方法と銘柄選択の罠を避けるには?

投資信託で大損する場合、多く分けて2つのパターンがあります。 間違った運用を気づかずに続けてしまう 経験不足の状態で...

一方、永続的競争優位性に棄損が無い限り、原則としてバイ・アンド・ホールドとなるため、それらの資産を取り崩す時期になったら、価格が極端に下がっていない時に一部を現金化なり安定資産への移行をします。

なので、これも例外となります。

これについては、以下の記事をご覧ください。

▼本当に役立つ長期投資の出口戦略! 資産の取り崩し方をケース毎に徹底解説

長期投資で資産形成に成功した後のことって考えてますか? 確かに長期、積立、分散の投資は王道で、20年以上運用すれば損失のリスク...

投資は自己責任。

リスク管理を徹底して楽しみましょう。



シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする